Vol.51 スウェーデンからの手紙 骨粗しょう症は歯科医師の領域だ

2007年1月7日 スヴェンスカダーグブラーデット紙

余分に下顎のレントゲン写真をとることで危険領域の患者を見出す

歯科医の診察を受ける際に、余分に下顎のレントゲン写真をとってもらって骨粗しょう症にかかっているかどうか調べることができる。スウェーデンを含む世界5カ国の歯科医のグループがこういった発表をした。石灰の流出は歯にもトラブルを引き起こす。

このような考えは、大部分の人達が定期的に歯科医の診察を受けているので、それを利用しようというものだ。近代的な技術を活用すれば、自動的にほぼ完全に下顎の骨の密度を示すようなレントゲンをとることが出来る。

EUからの研究助成金をえたプロジェクトの関係者達は3年で、すべての歯科医がデジタル写真をとり、その写真を判定できるような方法を開発した。

今回の研究は、英国のマンチェスター大学を中心として行なわれたが、下顎のレントゲン写真により5名中の2名は骨粗しょう症または発病の危険性のある人達を発見できるというものだった。

650名の女性の下顎のレントゲン写真をとり、骨粗しょう症のスタンダードなテストと比較してみた。その結果、140名の女性が骨粗しょう症にかかっていることが判明した。下顎のレントゲン写真ではその半分が発見できた。

多くの人達が自分は骨粗しょう症であるということを知らないでいる。手首や大腿骨骨折をして始めて病名が判明する人が多い。

クリスチーナ リンドは、ムーンダール大学の歯学部レントゲン学(口内の病気に関するレントゲン学)の助教授だが、このプロジェクトにスウェーデンから参加していた。

「結果は、非常に良かったので、私達は骨粗しょう症にかかる危険領域にいる患者を発見するために、歯科治療の際にこの方法を試そうと思っています。」と、クリスチーナ リンドは語っている。

スウェーデンでは、スウェーデン南部で実施される予定だ。その他の国からのプロジェクトへの参加者は、ギリシャ、ベルギーとオランダなどの大学だった。

ダーン メルストロム教授は、イエテボリのサールグレンスカ大学病院の骨粗しょう症外来の医学治療責任者だ。下顎のレントゲン撮影は、科学的にみても興味深く、特に、レントゲンと通常の骨粗しょう症の検査と同時に行なうことができればより良いものだと語っている。

しかし、教授は大勢の人達のスクリーニングはそれほど重要であるとは考えていないそうだ。

「たった一人の患者を発見するために数百名の人達のスクリーニングをする必要があるのでしょう?」と、教授は疑問視している。

「60-65歳代の人達の間から患者を発見するよう努力するべきです。高齢者が発病しやすいのですから、これらの人達を検査して医薬品により予防したり、また骨折しないようなアドバイスをするのです。私達が現在すぐに出来ることは、骨折により医師の診察を受ける65歳以上の人達の骨密度を調べることです。」

教授は、若い人達で骨粗しょう症を発病する危険性のある人達を探すことは、倫理的に問題であると語っている。それは、若い人達の骨粗しょう症の多くは遺伝的なものだからだ。また、前もって、誰が骨密度が低いことでトラブルに陥るかはっきり解っていないのだ。

エーヴァ ヴィンバリはストックホルム県の骨粗しょう症患者の会の会長だ。患者の多くが正式な病名診断を受けないことは問題であるとしている。骨粗鬆の患者が背中の痛みで10回も病院で診察を受けていながら、原因をはっきり究明されていないのだ。

「痛みのために苦しい生活をするかわりに、適切な支援を受けることで自分の状況を変えることができるのです。」

FAKTA:

  • 骨粗しょう症のために、毎年7万件もの骨折治療が行なわれている。高齢者数が増加するに 従って、治療を必要とする人達も増加すると予測されている。
  • 中年のスウェーデン人女性で、骨粗しょう症のために1回から数回の骨折事故にあう危険性 は50%だ。
  • 中年のスウェーデン人男性で骨粗しょう症のために骨折する危険性は25%だ。男性の方が 骨格ががっしりしていることが多いので、骨折も高度の高齢者になってからの方が多い。
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