Vol.49 スウェーデンからの手紙 カロリーナ

2007年1月7日     イエテボリスポステン紙

自立への第一歩

労働市場の外にいる若い人達のグループがある。その人達にできる普通の就労以外はデイ活動だ。しかし、Axel Kaudern(アクセル カウデン) Carolina Nueman(カロリーナ ノイマン)は有給の賃金をもらえる仕事への第一歩を踏み出した。

カロリーナ ノイマンは26歳で、アクセル カウデンは28歳で、労働市場で就労しようと努力している成人の知的機能障害者を対象とした一つのプロジェクトに加わっている。

アクセル カウデンは警備員として雇用されようとしており、カロリーナ ノイマンはカフェーで仕事をしたいと思っている。2人は、自分で自分の生き方を決め、有給の仕事につき、他の人達と同じように行きたいと希望している。

「仕事があるということは、お給料がもらえるということで、自分でお金をかせぐということです。本当はお金のことだけではありません。他の人達と同じように仲間にはいるということです。」と、カロリーナ ノイマンは語っている。

カロリーナは自分のことを、支援が必要であるという状態と一人で十分やっているという状態の中間にあると語っている。今までカロリーナに提供されていたデイ活動は、もっとずっと障害が重い人達むけのものだったとカロリーナは考えている。

カロリーナ ノイマンは、毎週金曜日の午後、イエテボリ市内のハーガにあるCafe Blue Mountainで実習している。汚れた食器の片付けや整理整頓をしている。

実習はうまくいっている。

「ここではカロリーナは自分の能力以下の仕事をしてはいません。私達は彼女がちゃんと仕事の成果を上げてくれることを期待しています。もちろん、彼女の出来る範囲のことですが。」と、カフェーのオーナーのOliver Monk(オリバー モンク)は語っている。

アクセル カウデンの実習の場所はEngelska skolan(イングリッシュ スクール)だ。アクセルは仕事が非常に気に入っており、そのうちに正式に雇用されることを希望している。

「こういう仕事をしたかったのです。ちゃんとしたお給料をもらって、自立して生活したいんです。」と、アクセルは語っている。

Jorgen Johansson(ヨルゲン ヨハンソン)は学校の警備員で隣接しているアパートの建物管理人だが、アクセル カウデンの指導員の役目もしている。

「アクセルがここに来てくれるようになってから、私の仕事がずっと楽になりました。アクセルは覚えた仕事は自分できちんとこなしています。ですから、また新しい任務をアクセルのために探しているところです。」

アクセル カウデンは自分の目的のかなりいいところまで到達したとおもっている。

「すごく上手くいっています。こういう仕事をずっとしたいんです。」と、アクセルは語っている。

知的機能障害のある成人、自閉症または自閉症のような症状のある人達は、殆ど全員が一般労働市場では仕事をしていない。殆どの人達が就労のかわりにデイ活動の場での活動をしており、こういった活動の場はイエテボリでは通常行政区が運営している。

これらの事業体は様々の形態になっているが、法律により、個別対応しており社会への参画を奨励するものでなければならないのだ。ということは、一般社会の労働市場で仕事をしようという気持ちのある人は適切は支援を受ける権利があるということだ。

しかし、現実には、デイ活動の場から有給の仕事に移行する人は非常に少ない。

K-Kraft教育センターは、イエテボリにある共同組合形式のデイ活動の場だが、知的機能障害者に対する態度をかえるための運動をしている。“労働市場への次の一歩”というプロジェクトに、アクセル カウデンとカロリーナ ノイマンは加わっており、参加者が正式に雇用されるよう支援することが目的だ。

「一人の人間に対してどういった要望がなされているかということです。私達、身近にいる人間が有給の仕事につけると信じるかどうかです。」と、K-Kraft教育センターのプロジェクト リーダーのErik Borg(エリック ボリイ)は語っている。

一人の人間がその目標に到達するには時間がかかるのを認めることですと、エリックは強調している。デイ活動を受ける権利がある人にとっては、有給の職業につくことは時間のかかる長いプロセスだ。大部分の人には、労働斡旋所が提供している期間では身近すぎる。そのために、デイ活動から普通の労働市場での仕事と距離を大きなものにしている。

「人によっては正式に雇用されるまでに3年もかかることもあります。ところが、7年もかかる人もいるのです。しかし、それでも普通の労働市場の外で一生ずっと暮らすよりよいのです。」

FAKTA

これがLSSだ

  • ある特定の機能障害者への支援とサービスの法律であるLSSは知能的な障害のある人、自閉症、また自閉症に類似した症状の人達を対象とした権利の法律だ。
  • 市自治体がデイ活動の場に関する主要責任者だ。事業体は、たとえば社会的な労働組合形式など、その他の人達が運営することも可能だ。
  • “労働市場への次の一歩”というプログラムは、職員の共同組合K-Kraft教育センターがスウェーデンのESF委員会の支援により運営している。
  • スウェーデン国内では、約25000人の人々がデイ活動の場で活動している。社会庁は、デイ活動の場が、どの程度法律の意図にそって運営されているかの調査を実施することにした。
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