Vol.47 スウェーデンからの手紙 「高齢者ケアの介護職員」

2006年11月16日 イエテボリスポステン紙

より多くの意見の反映ができるようになって病欠が減少した

勤務時間表が変わってから、セシリア ランダエウスは昔ほど腰や肩に痛みがなくなった。 しかし、チューベゴーデンの高齢者住宅の職員の勤務時間表をEUも同じように気に入っているかどうかは分からない。

准看護師の、セシリア ランダエウスは、チューベゴーデンの高齢者住宅で12年間勤務している。ときどき休憩したこともありますと、セシリアは子供の出産をその理由にしている。

セシリアは、仕事の内容が変化したが自分の仕事を気に入っている。

「今では高齢者がここでずっと生活しています。ですから仕事がきつくなったといえます。でも、高齢者にとってはずっと同じところで生活しているほうがずっと良いことです。」

チューベゴーデンの高齢者住宅はアリングソース市の小さなガードシェーン湖の近くになり居住者は満足して暮らしている。それは、アンケートによる意識調査で判明したことだ。高齢者住宅は、スウェーデンの年金生活者の全国連合から表彰を受けた。“すぐれた介護をしている真珠(訳者注:宝物の意味)”と、表彰の理由に書かれている。

ホームの居心地の良さは、職員の状況を反映しているものでもある。

高齢者ケアは労働職員組合のコミュナールの最大の業界であり、会員中17万人が准看護師や介護助手だ。

きつい仕事

ケアの仕事はきつい仕事がということは、殆どの調査の結果判明している。コミュナールの報告書の高齢者福祉―2003年度の状況報告書によると、以下の項目の殆どすべてのトップに高齢者ケアと障害者ケアがある。

  • 何回も重たい人などを持ち上げる
  • 不自然な姿勢で仕事をする
  • 社会精神的な意味での職場環境に関しては、医療ケア部門に勤務する職員だけが環境がより厳しいと感じている。
  • 疲労感と不安感はその他の職種に比較して一般的だ
  • 給料が低い
  • 職員の4分の1は体のあちこちに痛みがある

こういう状況にある職員の一人がセシリア ランダエウスだ。しかし、状況はずっとよくなった。3年前に実施された勤務時間帯の変更がその最大の理由だ。職員は3日間勤務して、3日間休んでいる。

「体のあちこちが時々痛みますが、でも今では回復するだけの時間があります。」と、セシリアは語っている。

EUの労働指針が不安にさせる

しかし、不安の原因が一つある。それは、EUの労働指針だ。

「グループホームの職員が隔週の週末に労働しなければならないのではないかと少し心配しています。市自治体の調査グループの人達が状況を調べています。3-3日勤務体制が影響を受けるかどうかはまだ解っていません。」と、ユニット チーフのイレーネ ギルボーが語っている。

イレーネ ギルボーによると、チューベゴーデンの高齢者住宅はその他の高齢者ケア部門とは大きく異なっているとのことだ。

職員の病気により欠勤率が低い。8月にはゼロに近い状態だった。職員が仕事に自分の意思を反映できる度合いは大きく、自分達の勤務時間表作成や仕事のやり方などもほとんど職員達が決めている。職員の平均年齢は35歳少々で、国内の平均年齢より少なくとも10歳は若い。

チューベゴーデンの高齢者住宅には、2つだけ国内の高齢者ケア部門と同じところがあり、それらは給与体制と男女の性だ。

現状では、2人の職員が求職して教育を受けている。職員グループには男性は一人しかいない。

何故そうなるのだろう?

セシリア ランダエウスは、男性が少ないのは給料が低いからだと思っているそうだ。給料はよくない。数年の経験者の平均給与は19000Krだ。しかし、セシリアは高齢者ケアの仕事が気に入っている。

「私は人間を相手の仕事が好きですし、役に立つ仕事をしたいのです。それに、高齢者から得るものも多い仕事です。」

私達が話した職員は全員が、現在良いことが今後もよいとは限らないということに同意している。

「私達が互いに相手を思いやることが大切なのです。」

FAKTA:

  • チューベゴーデンの高齢者住宅では52名の高齢者が生活している。
  • 正式職員数は45名だが、殆どがフルタイム勤務ではない。大部分の職員は50%から80%のパートタイム勤務だ。

“高齢者福祉部門には改善の余地が非常に多い。”

高齢者が増えるので、高齢者福祉部門の職員の需要は増大する。 「労働力不足になるかどうかについては、なんともいえません。」と、コミュナール労働組合の高齢者福祉部門の業界諮問委員のケネス ヨンソン委員長は語っている。

現在、約23万人の人々が高齢者ケア部門に勤務している。その平均年齢は、ケネス ヨンソン委員長によると50歳弱だそうだ。

国民と職員にますます老齢年金生活者が増えるということは、将来的に新規に職員を雇用する必要性が大きくなることだ。どの程度の労働力が必要になるかはまだはっきり判明してはいない。

コミュナール労働組合では、つまらなくて、仕事はきつくて厳しいと思われている業界に若い人達をひきつけなければならないと解釈している。

「高齢者ケア部門で仕事をするということは、特にポジテイブではないかもしれません。どんなに多種類の仕事をしなければならないのかを理解している人はそれほど多くないのです。」と、ケネス ヨンソン委員長は語っている。

委員長は4つの重要な要素を上げている。

  • 職員の意思の反映程度を高めなければならない。
  • 職員がキャリーを追求する可能性を得る。
  • 給料。准看護婦教育を受けた新卒者の給与は約16000Kr少々だ。
  • 男性もこの業界の仕事をしたいと思うような技術的は発達があること。

数年前から職場での教育が6つの市自治体で試験的実施されているが、マルクス市自治体もその一つだ。

「就労している職員が、特別教育かまたは継続教育を受けられるというものです。この試験的なこころみは2007年度には評価されることになっています。」

コミュナール労働組合は、多くの人達が厳しい職場であると考える労働環境に対しての活動も重要であると考えている。高齢者ケアの仕事は、身体的にも精神的にもその他の仕事よりもきつい仕事であると考えられているということは、高齢者福祉―2003年度の状況報告書により判明している。

「残念ながら今でも事情は変わっていないと思います。」と、ケネス ヨンソン委員長は語っている。

では、コミュナール労働組合としては何をするのですか?

「労働環境活動はそれぞれの職場で積極的に行なわれなければなりません。私達組合側としては、職場の保護代表者の教育などを続けるようにします。しかし、みんなが自分の職場に注意しなければならないのです。それはこれといったすべての職場に適用できる汎用型の対策というのはないからです。」

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