Vol.48 スウェーデンからの手紙 無料の支援

2006年11月26日  イエテボリスポステン紙

67歳以上の人達全員に無料の“簡単な仕事の手伝い”を提供する

チンネレード行政区は、無料の精神的支援の話し相手も提供する

イエテボリ:

イエテボリ市では来年から67歳以上の全市民に無料の簡単な仕事の手伝いを提供することにした。チンネレード行政区では、一歩進めて無料の精神的支援の話し相手になる支援と花の手入れの手伝いも提供することにした。

最初は、チンネレード行政区の高齢者の間では“Fixar-Tony(手伝ってくれるトニイ)”として知られている、コッテダーラに住んでいるトニイ エーケロースだった。

トニイは、自分の家での簡単な仕事の手伝いを必要としている場合には出かけていって手伝っていた。額縁の絵をかけたり、ヒューズを取り替えたり、カーテンのかけたりするような仕事だった。

「去年の9月に仕事を始めてから750回もの家庭訪問をしました。最初の4ヶ月間で体重が5キロも増えてしまいました。なぜかというと、デイニッシュペイストリーとか海老のオープンサンドウイッチを食べ過ぎたからです。今では、私が家に到着したときに、もうテーブルにコーヒーなどが用意がされていない時には断るようにしています。」と、トニイは語っている。

私達は今日のトニイの2つめの仕事への移動中だ。トニイは電気ドリルとその他のツールを少し手提げ袋に入れて持って歩いている。

「こういう仕事を手伝ってもらえてうれしいです。新聞でこういう支援をしてもらえるという記事を読んでとてもうれしくなりました。思い切って電話をしてみたんです。」と、ソルヴェイグ ローレンゼンは語っている。

ソルヴェイグさんは、天井のシャンデリアを50cm程度横に移してもらいたいそうだ。そうすれば、シャンデリアが応接セットのテーブルの横ではなくて上になるからだ。そんなことはトニイには簡単な仕事だ。

シャンデリアの位置の移動が終わると、トニイはソルヴェイグさんとチェックリストの見直しをする。トニイは、たとえば、敷居の高すぎないかとか、すべりやすい絨毯がないかとか、火災探知器がついているか、浴室にすべりどめや手すりがないかなどについての質問をしている。

こういうチェックリストの見直しや、トニイの支援は、高齢者の自宅での転倒事故を防ぐためのものだ。

「最高の仕事です。本当に自分でも必要とされていると感じています。」と、トニイ エーケロースは語っている。

来年からチンナレード行政区の“簡単な仕事の手伝い”の仕事は、正式の職務となる予定だが、同時にイエテボリ市の67歳以上の高齢者は全員同じような支援を受けられるようになる。それは、多数派政党が木曜日に承認したことだ。

しかし、チンナレード行政区での支援はそれだけではない。この夏から、高齢区民は、“fixar-Tina (手伝ってくれるチーナ)”の家庭訪問を要望すると、チーナが訪問してきて、ベランダのプランターや庭で花を植える手伝いをしてくれていた。

この10月からは“Prata med Eva(エーヴァと話す)”という、高齢心理セラピストとの無料の話しあいの支援もある。チンネレード行政区は数週間後には来年の予算を多数派政党に提出することになっているが、来年は高齢者の食事を強化する予定だ。

この支援は、高齢者が希望すれば、自分の好みの料理やパンやケーキを焼く手伝いをしてもらえるというものだ。チンネレード行政区では、2007年度の予算で総額100万Krを余分に高齢者ケアの予防経費として計上している。

「私は、予算の非常に有効な使い方だと思います。よい形での予防のための支援をすると、非常に効果がでるものです。高齢者にとっては食事が重要だということを理解しています。去年は、区で栄養士を雇用しましたし、料理の支援をしたいと考えています。」と、チンナレード行政区のイングヴァル スヴェンソン区長(社民党)は語っている。

「高齢者福祉は、純然たる医学的なケアに焦点をあわせがちです。健康であることの価値のかわりに病気の手当てに必要な経費のみを見ているのです。安心感を生み出し健康を促進するようなケアと人間愛というものを、もっと強調するべきだと思います。」と、チンナレード行政区の高齢者福祉部門の予防ユニットの発案者長でユニットチーフのグニラ フォルチーンは語っている。

上記したサービス以外にもチンナレード区では、75歳以上の高齢者すべてで、家庭訪問を希望している人達全員を対象として計画的な家庭訪問をしている。

この家庭訪問は、高齢者とどのような支援を受けたいと要望しているか、また行政側ではどういった支援を提供できるかなどについて話し合いをすることだ。

チンナレード区には、いくつも頑張っているプログラムを作成している3箇所の出会いの場があり、昨年は17000人の人達が出会いの場を利用していたが、この数字は、65歳以上のチンナレード区民が平均して年に4回利用したことに相当している。

「こういった支援の目的は、高齢者が気分よく生活することで、要介護の高い支援を遅らせたり、その利用期間を短くすることです。」と、グニラ フォルチーンは語っている。

この予防ユニットには、約50名のボランテイアによる自発的支援も含まれている。

「区内の高齢者が一番要望しているのは散歩と話し相手です。」と、グニラ フォルチーンは語っている。

アッシリア人達の協会と共同でのデイケアを統合プロジェクトとして実施している。

「副作用として出てきた良いことは、アッシリア人達も、ボウル(ボールで遊ぶゲーム)やビンゴ活動に参加するために出会いの場を訪問するようになったことです。」と、グニラ フォルチーンは語っている。

67歳プラスの人達を対象とした“簡単な仕事の手伝い”

  • 半年前の法律改正により、現在では市自治体が67歳以上の高齢者に個別のニーズ査定をしないで特定の支援を提供できることになった。これらの支援は、転倒事故や病気の予防を目的としたものだ。
  • 毎年1200人の人達が転倒事故のために死亡している。84000人の人達が転倒により医療ケアを受けているので、病院での入院日数の5万日に相当する。10人中9人の被害者が65歳以上の高齢者だ。これらの事故により被害者は非常に苦しみ社会経済にも大きな影響を与える。大腿骨骨折した場合には、社会にとって約50万Krの出費となる。
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