Vol.41 スウェーデンからの手紙 太陽熱利用装置

2006年9月18日 イエテボリスポステン紙

太陽熱利用装置 - 電気料金が値上がりしている状況下では素晴らしいアイデア

太陽熱の利用装置は夏だけのものではなく、秋や冬でも太陽が照ってさえいれば太陽熱利用装置を温めているのだ。電気料金が値上がりしている現状では、効率のよい投資となりつつある。

太陽熱利用装置は外気の気温に左右されない設備だ。秋から冬、さらに春でさえも、太陽さえ照っていれば温水と暖房を供給してくれる。

「装置が雪に覆われていないということが条件ですが。」と、エネルギー行政局のAnders Odell(アンデッシュ オデル)は語っている。太陽の照っていれば冬でも暖房効果はかなりのものだ。

しかし、通常太陽熱利用装置は、春分の日から秋分の日までの間が最も効果的だ。

「海岸地帯の方が太陽が照っている時間が多いものですが、スウェーデンという国の地理的な条件はおもったほど悪いものではないのです。」と、スウェーデンの太陽熱エネルギー協会のLars Andren(ラーシュ アンドレーン)は語っている。

しかし、太陽熱利用装置はどれほど効果があるのだろうか? エネルギー行政局によると、太陽熱利用装置が市場に登場して以後のこの20年ほどの間に、その価格に対しての装置の性能は10倍以上も良くなったとのことだ。

「性能は高まると同時に価格が低下しました。ヨーロッパ各国と同じレベルまで電気料金が上がると予想されています。電気料金が上がればあがるほど太陽熱利用装置の利益性はよくなるのです。」と、アンデッシュ オデルは語っている。

太陽熱利用装置を有料での電気購入に代え、電気への依存率をひくくすることが可能です。」と、ラーシュ アンドレーンも同意している。

「計算上では、1kW時あたりの電気料金は定額で50オーレ(約8円)です。」

設備費が償却されれば、電気は無料となる。

太陽熱利用装置がどの程度有効であるかは、まず世帯あたりの温水の利用量による。夏の間は、通常太陽熱利用装置による温水だけで十分なので、年間計算では、温水利用のための料金表の金額は半減する。

「さらに、既存の温水用のボイラーを新型のものに取り替えると、有効度は高まるものです。」と、アンデッシュ オデルは指摘している。

必要性により異なるタイプの太陽熱利用装置を

一般住宅の暖房のためには、太陽熱利用装置は優れた補助的手段であるが、太陽熱だけですべての暖房はまかなえない。エネルギー行政局の計算によると、太陽熱利用装置により、一般の一戸だて住宅では、システムやサイズによるが、年間2000から6000kW時の有料のエネルギーの購入量を減少させることができるとのことだ。

異なる需要に対応する太陽熱利用装置がある。その一つは、給水装置というもので、太陽熱で温水のみをつくるもので、太陽熱利用装置にボイラーを組み合わせたものだ。また、コンビシステムと呼ばれる太陽熱利用装置もあり、温水と暖房を供給することができるが、この場合は、太陽熱利用装置に貯水用タンクと、環境という面では薪やペレットがよいが、重油でも十分作動している温水による暖房装置を組み合わせる必要がある。

最高の方法は、何らかのシステムの燃焼装置と組み合わせることですと、ラーシュ アンドレーンは語っている。

「太陽熱利用装置と組み合わせて、ペレットか薪を燃やすようにすれば、快適さが増し、温水用の貯水タンクにより柔軟性が増します。」

太陽熱利用装置の効率は、その設置場所に左右されがちだ。最善の場所は、日陰にならない南むきの場所だ。温水システムには、真夏は太陽が空の真ん中にあるので、角度45度が最善だ。コンビシステムの場合は、太陽の位置が低い季節にも暖房を供給しなければならないので、角度は60度が最善だと、エネルギー行政局ではアドバイスしている。現在では、太陽熱利用装置も、屋根の構造に“溶けこむ”ようにデザインされたものも市場にある。

一番よいのは、新築の家を建てる場合に、最初から太陽熱利用装置の設置を計画することだ。すでに家があり、屋根の角度などが不適当であったり、温水器や温水用貯水タンクとの距離が長すぎるような場合には、太陽熱利用装置を側面につけるか、別棟の屋根にとりつけることが可能だ。

1平方メートルあたり5000クロノール

スウェーデンの太陽熱エネルギー協会の計算によると、屋根の状態や、パイプをどう設置するか、温水器や温水用貯水タンクの場所などにもよるが、およそ1平方メートルあたり5000kr程度とのことだ。この価格には、貯水タンクと、装置の取り付け費用も含まれている。

温水だけが必要な場合には、一人あたり1-2平方メートルあたりの太陽熱利用装置が必要だ。300リットルの容量の温水器むけには、4-6平方メートル程度の太陽熱利用装置が適している。

しかし、温水と暖房に太陽熱を利用する場合には、エネルギー行政局の計算によると、10-15平方メートル程度の広さの太陽熱利用装置が必要とのことだ。

現時点では、2種類の助成金取得を要請することが出来るが、両方を同時に同じ工事に対して受けることは出来ない。太陽熱利用装置の助成金は、装置の年間製造エネルギー量にそって、計算されるが最高7500Krまでだ。助成金を申請する資格がある建物は、永久的に住居として使用されているものや場所で、商業用や産業用(商業用また公共の建物用には申請できる特別な助成金がある。)に使用されていないもので、さらに、使用している太陽熱利用装置がスウェーデンの試験研究機関のSP(または同様の許可をうけている検査機関)による品質検査に合格したものでなければならない。

もう一つの助成金は、国の変換支援金で、いままで重油か電気による直接暖房装置を利用していた一戸だて住宅に対するものだ。この助成金は、太陽熱利用装置の助成金と同じ規則により、たとえば太陽熱利用装置の設置などに際して補助金をえることができる。この変換支援金取得要望者は、県庁と住宅行政局(Boverket)から申し込み用紙を取得できる。

FAKTA:
太陽熱利用装置はこのように作動している
* システムは、太陽熱利用装置、コントロールユニット、循環ポンプ、エクスパンションタンクと熱交換器から成り立っている。
* システムは、熱交換器を通して温水用貯水タンクにつなげられるか、温水器または屋外のプールにつないでもよい。
* 太陽熱利用装置が貯水温度より温かくなるとシステム内での循環が開始され、システム全体の温度が均等化される。補助ポンプとコントロールユニットは電気により作動している。
* 今日販売されている太陽熱利用装置の寿命は約20年程度と思われている。

考えておかなければならないこと:!!
* 太陽熱利用装置を取り付けるには建設許可が必要だ。
* いろいろな装置と組み合わせて作動するようなシステムを購入すること。太陽熱利用装置、コントロール システム、温水用貯水タンクや温水器などは共同で作動するように設計されている。したがって、勝手にいろいろな部品として装置を購入してから、共同作動するように調節したりしないこと。
* 装置の取り付けは適切かつ正確に行わなければならない。そうしないと、太陽熱利用装置の効果が十分に発揮されない。

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