防湿シートなしの場合の合板-断熱材間の相対湿度変化を示します。
防湿シートなしの場合、札幌では合板-断熱材間で冬季 (1月から4月) に100%RHを示し、結露の可能性が高いことを確認できました。したがって、札幌では防湿シートの必要性があることがここからもわかります。
次にPEシートありにおける断熱材-防湿シート間の相対湿度変化を示します。
PEシートありの場合、断熱材-防湿シート間において1年のうち那覇で約6ヶ月 (4月~10月)、東京で約2ヶ月 (7月から9月) 、80%RHを超える高湿度を示しました。80%RHを超えるとカビ発育の危険性が考えられます。
ただし、外気の条件によって大きな影響を受ける屋外側では、高温や紫外線によりカビの発生が抑えられることもあります。したがって、これらの条件で必ずカビが発育するわけではありません。しかしながら上記の場所ではカビの害に留意する必要があるといえます。
これまでの結果から分かるように、札幌においては冬季結露予防のために防湿シートの設置が必要ですが、那覇では防湿シートが原因となり夏季に壁体内に高湿な部位が生じる場合があることが確認できました。
このように計画段階で構造が気候に合うかどうかを確認することが重要であることがわかります。
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