構造全体の含水率変化
防湿シートなしの場合の構造全体含水率変化 (kg/m2)を示します。
防湿シートなしの場合の構造全体の単位面積含水率変化
札幌では”防湿シートなし”の場合に2年目含水率の上昇が認められました。これは経年で水分の蓄積される可能性があることを意味します。また夏季と冬季の含水率の差が約2.5kg/m2と結露量が1.0kg/m2をこえてはいけないとされる基準を2倍以上上回っていることが分かります。
一方、PEシートありの場合の構造全体含水率変化 (kg/m2)を示します。
PEシートありの場合の構造全体単位面積含水率変化
PEシートを設けた場合、どの都市においても水分の蓄積の可能性が少ないことが分かりました。
合板の含水率変化
シートなしの場合の合板含水率変化(質量%)を示します。
シートなしの場合の合板含水率変化(質量%)
合板の含水率は札幌において夏季と冬季の差が15%以上と大きな差を示しました。これはドイツ工業規格DINの「木材含水率は5%以上増加してはいけない」とされる基準をはるかに上回っており、この点からも札幌で防湿シートを設置しないと不適切であるといえます。
シートありの場合の合板含水率変化(質量%)を示します。
シートありの場合の合板含水率変化(質量%)
札幌の防湿シート以外の条件では特に不具合は認められませんでした
したがって札幌においては、構造に水分が蓄積されるのを防ぐために防湿シートが有効であると確認できました。
投稿者 外断熱コンサルタントのイーアイ: 2006年06月15日|ページの 先頭へ|