Eri通信のVol.1では、2006年からEU加盟国で一斉に始まった住宅のエネルギーパスを紹介しました。
実はこの「エネルギーパス」は、家電製品に対しては既に約10年前からあったのです。
しかし家電製品に対してはエネルギーだけではなく、例えば洗濯機なら騒音の程度や汚れを落とす性能などの情報を含んでいるので、正式には「EUラベル」と呼ばれています。
このラベルの表示が義務付けられている家電製品は次のものです。
1997年~ | 洗濯機、乾燥機、自動洗濯乾燥機 | 1998年~ | 冷蔵庫、冷凍庫 | 1999年~ | 食器洗い機、電球 | 2003年~ | 冷暖房空調機、電気オーブン |
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まずはEUラベルの実物をご覧下さい(図1)。
図1:EUラベルの一例
※ 「エネルギー以外の項目」とは、例えば以下のような項目です。
洗濯機
- 汚れが落ちる程度 [A-Gランク]
- 脱水の程度 [A-Gランク]
- 洗濯物の容量 [kg]
- 水の使用量 [l]
- 騒音 [dB(A)]
電球
- 光束 [ルーメン]
- 効率 [W]
- 寿命 [時間]
このように、エネルギーだけではなく、「そうそう、そこが知りたいのよ!」という情報が明確に表示されているので、消費者にとっては商品を購入する際に、とても大切な情報源となっています。
これらの評価方法は全て、規格で定められています。(ちなみに、ラベルの偽装や、表示を義務付けている法律や規格に違反した場合には、罰金が科せられます。)
特に初期から表示が義務付けられている洗濯機や冷蔵庫などは、技術の進化によって、当時は最高のランクであったAランクを上回るようになっています。すると、今ではA+やA++といった表示がされています。私個人としては、電球ひとつにしても、Cランク以下のものは、商品選びの際の候補にはなりません。消費者を省エネルギーに誘導する政策に、私はうまくひっかかっています。
昨年、冷凍庫を購入しましたが、Aクラスのものを選びました。A+のものもありましたが、やはり値段も高く、いろいろと思い悩んだ末の決断でした(図2)。
図2:EUラベルを見ながら商品を検討する
ぜひ日本でも、このような「知りたい情報を、公正な基準に基づいて、分かりやすく伝える」ラベルが発展すると、いいですね。