面白い統計を見つけました。ドイツと日本の住宅のタイプについてです。
日本では、「一軒家を持つこと」が人生の大きな目標として掲げられることがありますが、果たしてドイツではどうなのでしょうか?
どうも、日本ほど一軒家へのこだわりは少ないようです。
[グラフ1]を見ると、一軒家(=一戸建て)の割合は、ドイツは日本の約半分です。その代わり、複数の住戸が連なった構造(長屋建て)やアパートやマンションのような集合住宅が多いです。
これは聞いた話なので証拠となるデータを示すことはできませんが、ドイツ人は生活スタイルや家族の数の変化に応じて、住居を変える傾向が強いそうです。つまり、子供と一緒に生活する期間は大きな家に住み、子供が巣立ってからは夫婦二人で住むのに十分な大きさの家に引っ越すのです。日本人はどちらかと言うと、ひとつの住宅に増築、改築を重ねてひとところに留まる傾向がありますね。新築時に、改築のことを考えて、住宅の中の間取りを変更できる構造である、スケルトン・インフィルも最近、人気のようです。
ところで、家のタイプとエネルギーの関係は、大まかに言うと[グラフ2]のように示すことができます。
グラフ2:家のタイプによる、一次消費エネルギーの比較
出展:”Erläuterungen zur AVV Energiebedarfausweis zu §13 der EnEV”
つまり、一戸建ては4つの壁全てが外気に接しているので、それだけ、壁を通して部屋の中の熱が逃げてしまいます。ところが長屋建てでは1つまたは2つの壁が隣の住宅と接しているので、逃げる熱の量が少なく、ラッキーな場合には、隣の住宅が一生懸命暖房している熱のおすそわけをもらうこともあります。
ドイツで長屋建てが多い理由が、この省エネルギーのためであるとは言えませんが、(省エネルギーが議論されるずっと以前からのものですので)、今のご時世、「省エネのために長屋建ての真ん中の家にしよう」という人もいることでしょう。