Vol.89 スウェーデンからの手紙 こういった支援があるので高齢者により優れた介護ができる

2008年7月8日 スヴェンスカダーグブラーデット紙

介護職員は入居者の介護だけに専念できますと、Arjeplog市のVaukagarden(ヴァウカゴーデン)高齢者住宅のモニカ ヴェステイン施設長は語っている。ここの高齢者住宅で介護職員の支援をしているのはSamhall社(訳者注:失業対策事業体で軽度の知的機能障害者も勤務している)の職員だ。

スウェーデンの最も小さな市の一つArjeplogに、50名の入居者が暮らすVaukagarden(ヴァウカゴーデン)高齢者住宅がある。入居者の3分の1は介護の必要性が非常に高い認知症高齢者だ。施設長のモニカ ヴェステインは、数年前にすでに職員数を増やすことなしに適切な介護を行うことは非常に難しくなると判断した。丁度そういった時期に、Samhall社から、介護職員が介護だけに専念できるように支援するというSamhall社の事業を説明したいと希望してきたので、直ちに説明を受けることにした。

「最初の会合は、2003年のことでした。Samhall社の職員がどういった仕事が出来るか調べてみることにしました。その結果、掃除、洗濯とベッドを整える作業なら依頼できるということがわかりました。それから、入居者が、診療所や歯科医の診察を受ける際に同行する支援や、様々のアクテイビテイも支援してもらえると判明しました。」と、モニカ ヴェステインが語っている。

労働組合も理解してくれた

モニカ ヴェステインは、最初から職員もこういった計画を理解していたと語っているが、実際にSamhall社の職員からの支援を受けるようになるまでには長い時間がかかったと話している。労働組合のKommunal(准看護師や介護職員などが所属する組合)は、最初は、こういった考えには賛成していなかったが、Samhall社のサービス利用の目的は、高齢者への介護の質を向上させることにあり、職員数を減らす予定はないということが判明した時点で、考えを変えてくれたそうだ。Samhall社のサービスを利用する活動は、2004年から、最初は2年間の予定のプロジェクトで発足したが、現時点では2009年度までの予定で継続している。2009年には、このプロジェクトを評価することになっている。

「最初は、Samhall社の職員6名が勤務していましたが、現在では9名に増えています。職員は、男性も女性もおり、フルタイム勤務の人もパートタイム勤務者もいます。高齢者にかかわる仕事をすることは専門能力が必要な仕事で、非常に困難なこともあると思いますが、人にかかわる仕事が好きな人でないと出来ないでしょう。Samhall社の職員の中には、林業や鉱山業などの重工業関係の仕事をしていた人達もいますが、ここでは非常に好評です。高齢者住宅で仕事をしたいと思う人達は、正式にSamhall社の職員として雇用される前に、職場実習を受けなければなりません。」

この方法を導入したがっている市は多い

プロジェクトが実施されている期間中に、Samhall社の職員で他の職場に勤務するようになった人達も何名もいる。一人の男性は准看護師の資格をとって、Vaukagardenの正式職員になった。

「こういったやり方の最もよいことは、介護職員や准看護師が、本来の介護の仕事のみに専念できるということです。いくつもの市の人達が、ここに見学にきましたが、まだここと同じ方式を採用している市のことは聞いたことがありません。」

「この方式は本当に良いと思っていますから、お薦めします。私達は、Samhall社の職員が実際にここで仕事をした時間分だけの給料を支払うのですから、非常に便利です。私達職員、高齢者、そしてそのご家族も、プロジェクトを非常に気に入っています。プロジェクトが始まる前はどうやっていたのだろうと、よく皆で話し合っているほどです。」と、モニカ ヴェステインが語っている。

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