Vol.90 スウェーデンからの手紙 高齢者住宅の部屋を提供できなかった場合には数百万Krの罰金

2008年7月14日  イエテボリスポステン紙

2百万Kr(注: 1Kr = 約18円)が罰金の金額だ。これは、昨年の秋以降に、行政裁判所が、妥当な期間内に高齢者および障がい者むけの住宅を提供していないので、市自治体に対して課した13の判決の罰金総額だ。

Sture Nilssonは高齢者住宅に入居する必要性がある。これは昨年の秋に、イエテボリ市リネースターデン区が査定し決定したことだ。しかし、Sture Nilsson用に適切な高齢者住宅がAnnedalshus高齢者住宅に見つかったのはおよそ半年もたってからだった。待機期間中に、Sture NilssonはHindasのショートステイホームに入居していた。しかし、娘のAnn-Christin Nilssonによると、父親の認知症の症状の進行をおくらせるためのトレーニングを開始する必要があったし、イエテボリ市内に住む家族との距離などを考えると不適切な住居であるとのことだった。

「Annehalshusに入居してからは、良い毎日がすごせたと思います。父親は殆どいつも上機嫌でしたが、認知症のために非常に物忘れが激しくなってしまいました。」と、Ann-Christine Nilssonは語っている。

Sture Nilssonの待機期間を考慮して、行政裁判所は、リネースターデン区に対して、国への“特別な罰金”を支払うよう命令するかどうかを検討している。行政裁判所は、特別な罰金に関しては、個別のケースごとに調査し判決をくだしている。その根本的な考えは、市自治体がより優れた計画を立てるようになるということにある。

昨年度末までは、イエテボリ市は、高齢者福祉において妥当な期間内に査定事項が実施できないということで行政裁判所から罰金を課されたことは一度もなかった。ところが、今年にはいってからは、市は10件も罰金を言い渡され、罰金の総額は90万Krに近いものになっている。その一つで、罰金が20万9,000Krというものは、バッカ行政区に対してのもので、区は行政高等裁判所に上訴している。

7件の判決で、罰金総額49万5,000Krはリネースターデン区に対してのもので、最高罰金金額の21万5,000Krというものは、一人の高齢女性が8ヶ月強、認知症のグループホームへの入居を待機させられたということに対してだった。リネースターデン区に関しては査定事項が実施されていないための罰金が2件あり、さらに、Sture Nilssonに関するものなど、行政裁判所が検討するケースがいくつもある。

「本当に信じられないことです。」と、Ann-Christin Nilssonは語っている。

Ann-Christin Nilsson自身がリネースターデン区の区議会の議員だが、区の切迫した財政状況については承知している。こういう状況下で、さらに見返りなしで国に罰金としてこんなにお金を払うことは馬鹿げたことだ。

イエテボリポステン紙が以前記載したように、リネースターデン区は、区が処理できる以上に日症のグループホームへの入居待機期間は長い。これらの問題対策として、リネースターデン区は、今年の冬に、Annedalshusの身体疾患のある虚弱高齢者用のユニットを認知症用ユニットに改造した。

「現時点では、高齢者住宅への入居希望者の待機者はほとんどおりません。」と、夏休み中の高齢者福祉部長代理のraila Hjelmroth Carlbergは語っている。

イエテボリ市は、機能低下者への特別なケアつき住宅に関して、3つの判決をうけており、その罰金は総額で110万Krに相当するものだ。約80万Krに近い罰金の判決は、ビスコープスゴーデン区からの行政高等裁判所への上訴以後に課されたものだ。

FAKTA: 国への罰金支払い

  • 市自治体は、2006年7月1日以後、社会サービス法により査定事項で、3ヶ月以内に実施できなかった事柄をすべて県庁に報告する義務がある。
  • 2008年7月1日より、LSS(ある一定の機能障がい者へのサービスと支援の法律)により決定事項にも、同様の義務が課せられる。
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