Vol.88 スウェーデンからの手紙 高齢者福祉が不十分であるという警告

2008年7月2日 イエテボリスポステン紙

昨年度にはサーラ法(Lex Sarah)による届け出が208件もあった

多くの従業員が高齢者福祉がキチンと実施されていないという届け出をだすようになった。昨年度にはヴェストラ イエタランド県で、208件の深刻が状況に関する届け出がなされた。これらの届け出の多くが、盗難、身体的な侵害や職員が高齢者をおきざりにしたような事柄に関するものだ。

2007年度中ほど多くのサーラ法による届け出がなされたことはない。一昨年度と比較すると届け出件数は42%も増加している。

「いままでの傾向に反することですが、その理由が何であるかは不明です。届け出されたケースによっては、サーラ法という法律についての職員の意識と知識が高まったということによるものもあると思います。」と、県庁の社会福祉コンサルタントのインゲマル スンネルダール(Ingemar Sunnerdahl)は語っている。

今日発表された報告書に記載されているもう一つの考えられる理由は、高齢者福祉の分野における不満足は状況がマスコミにより注目されることが増えたので、職員が気づいたケースを届け出るようになったというものだ。

異なるタイプの深刻な侵害

しかし、こういった事実があるのは確かだ: 高齢者ケア部門においては欠陥が多くあり、事故が起こっている。届けされたケースの半分ちかくが異なるタイプの深刻な侵害に関するものだ。

昨年には、圏内の高齢者住宅で54件の盗難があったと報告されている。さらに、30名強の高齢者が、身体的、精神的または性的な侵害を受けたと職員達が届け出ている。

高齢者が忘れられる

また、一般的に多いのは、高齢者福祉部門職員の高齢者への接し方に不備があり、さらに見守りが不十分であるというものだ。

「典型的な例としては、職員が高齢者住宅に居住する高齢者を忘れてしまうことです。高齢者がトイレで何時間も職員が迎えにきてくれるのを待たされたということが起こっています。」と、インゲマル スンネルダールは語っている。

サーラ法による届け出がなされた後に、どういった対策が講じられるかは大きく異なっている。昨年度には、25名の職員が解雇されたり、配置換え、または自宅待機処置を受けたが、この数字は2006年度のものよりも10名も多い。さらに、13名には注意通告がなされた。

しかし、高齢者福祉部門の責任者が、これらの出来事を警察に届け出ることは少ない。侵害に関する届け出件数は増加したにもかかわらず、警察への届け出件数は2006年度の43件とあまりかわらず46件だった。

そのかわりに、スウェーデンの西海岸地方の市は、教育、職場での指導やより優れた情報提供などの長期的な対策に力をいれるという道を選んでいる。

ユニット チーフが一体何が起こったのかを調査している

今日では、ほとんどの届け出は、ユニット チーフになされており、この同じユニット チーフが自分のユニットで一体何が起こったかを調査している。県庁によると、こういった方法は疑問視するべきだとのことだ。

「この問題については、サーラ法が施行されることになった原因のサーラ ヴェーグネル(Sarah Wagnert) などにより指摘されています。そこで、現在、届け出されたケースに関する調査は、法律にくわしい第三者により行われるべきではないかという議論がされているところです。」と、インゲマル スンネルダールは語っている。

FAKTA:

イエテボリでは46件

  • L57の県と78の市や行政区がサーラ法についての報告書を提出したが、総届け出件数は208件だった。
  • 2007年度の届け出中の4件中の3件が高齢者住宅での出来事だった。それ以外はホームヘルプサービス部門での欠陥だった。
  • イエテボリ市の行政区からは46件の届け出があった。コッテダーラ区が最高で(8件)、ついでルンドビイ区(7件)とヒューグスボー区(6件)と続いている。

サーラ法(Lex Sarah)

  • 1999年に社会サービス法に追加された規定で、職員や自発的に活動している人達は、高齢者福祉および障害者福祉部門で、深刻な不備があった場合には届け出なければならないというものだ。
  • 法律は、1997年に自分の職場のソルナ市のPolhemsgardenで高齢者が十分なケアを受けていないと警告を発した、准看護師のサーラ ヴェーグネルの名前がつけられている。
  • 欠陥に気づいた個人や親族は、監督官庁の県庁に苦情を訴えることが出来る。
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