Vol.70 スウェーデンからの手紙 あらゆる必要性を満たすために一人のコンタクトパーソンを

2007年8月3日 イエテボリスポステン紙

ボロース市では、Milton(ミルトン)特別助成金を使って、重度の精神障害者にかかわる新しい活動方法をためすことができた

ボロース市)あと1年続ければ、重度の精神病の依存症患者のケアのための病床を241床減少させることが可能だ。その理由は、Case Manage(ケースマネージャー)のヤーン ニルソンだ。

「私個人のことではありません。それよりも、ケースマネージャーとして仕事をする一つのモデルに関することなのです。」と、ヤーン ニルソンは強調している。「今も、昔、ソーシャルワーカーとして仕事をしていた時代とだいたい同じような患者(対象顧客)とかかわっていますが、このモデルは、違った新しい態度で今までとおなじ患者(対象顧客)に接することで、どんなに多くの事柄を可能とできるかというものなのです。」と、ヤーン ニルソンは語っている。

精神病科―社会福祉部門。行ったり来たり。何回も同じことの繰り返しだ。精神病の依存症患者は、関係機関の間をたらいまわしにされてきて、最終的にはどちらからも放り出されて2つの役所の間に落ちこぼれていた。深刻な麻薬乱用と重度の精神病の組み合わせは、その治療が難しいということはよく知られているが、今までにこれらの人達を対象としての患者への治療ということに関する解釈が、医療機関と社会福祉機関との間で違っていることがままあった。精神病科では、患者がまずその麻薬乱用についての治療を受けたのちでなければ、精神病の治療を嫌がっており、麻薬乱用に対する治療部門は、その反対を要求していた。

精神病の依存症患者グループは、スウェーデン社会においても最も恵まれない人達のグループといわれている。さらに、2年前に国の精神病と麻薬政策を統合企画担当者が、精神病治療部門の医療資源を調査した際には、ケアや治療支援もすくないということが判明した。その結果、国会により、精神病科に対して国からの特別助成金7億Krの支給が提案された。

先日、社会庁から、この7億Krがどのように使用されたかに関する90ページにもおよぶくわしい報告書が発表された。この報告書によると、助成金の支給をうけた470のプロジェクトの大部分が、2つの病名のある、治療の困難なグループの精神病の依存症患者へのケアを改善する目的としたものだった。

こういったプロジェクトの一つが、ヤーン ニルソンがケースマネージャー教育を受けることを可能としてくれたのだ。このケースマネージャー教育は、10ポイント(フルタイムで10週間の大学教育)の教育で、その対象者は、ソーシャルワーカーや医療機関で勤務している人達だった。ヤーンはコミューン(市)の職員だが、げんざいは、ヴェストイエタ地方のスヴェンユンガ市、トラネモ市、ウルリスハムン市の3つの市の仕事をしており、10名の患者の担当になっている。ヤーンの仕事は、患者がどうしたいかということを出発点としている。このモデルは、社会福祉部門と医療機関が、一人の患者を中心にして協力しあって活動するよう強制している。

この作業指示書にある患者という言葉を児童と変えると、理想的な親の姿が見えてくる:物事を計画し、子供と一緒にいろいろな活動をする人で、いつでも必要なときにはその場にいてくれて、難しい問題があるとその問題を解決してくれ、社会的また法的な権利を守ってくれ、指導し教え、優れたモデルになっている。

難しくないだろうか?

「ええ、互いに尊敬し信頼しあうということです。」と、ヤーン ニルソンは語っている。

ヤーン ニルソンとスードラ エルブスボリ病院の精神病科の医局長のベンクト・アーネ アンデッションによると、この方法は良いところだけだとのことだ。患者が安心できるので医療行為の必要性が減少する。そのおかげで、患者が保健医療機関と社会福祉部門とに“駆け込む”回数が減少する。ケア日数が少なくなり、日常生活における“事件”の件数も減り、日常生活が規則正しくなってくる。

スードラ エルブスボリ地区での目標は、地区内の全10コミューン(市)にケースマネージャーを設置することだ。国の助成金が無くなっても、ケースマネージャーは存続させ、ケースマネージャー モデルは長期的に継続させる予定だ。今年の9月には、また新規のケースマネージャー教育が開始される。

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