非定常熱湿気同時移動解析プログラムWUFI(ヴーフィ)は、ドイツのフラウンホーファー建築物理研究所(IBP)により開発され、欧米で標準的に使われている「複層からなる建物部位の熱湿気性状を実際の気象条件を考慮して把握するためのプログラムソフトウェアです。
これまで、日本では結露判定については定常計算で行なわれてきました。しかし、湿気による多くの害は、建材内の湿気や雨水、夏型結露が原因となっています。定常計算では建物部位の毛細管液水輸送や保水性は考慮されず、雨水の影響や夏型結露は考慮されません。
ドイツでは2001年7月DIN4108-3(ドイツ工業規格)改訂版に定常計算の限界が記され、実際の気象条件のもとでの建物部位の非定常の熱湿気性状を評価するために、定常計算に変わりWUFIのような近代的な計算を行なう必要性が明記されました。
弊社では、WUFI(ヴーフィ)日本バージョンの開発・発売を記念して、フラウンホーファー建築物理研究所より二人の研究者を日本に招き、東京(5/11~5/12)と大阪(5/15~5/16)において2日間のWUFI(ヴーフィ)ワークショップを開催しました。このWorkshopにより、WUFIに対する理解、必要性が伝わったと感じています。
このプログラムは、南北に長く気象条件の異なった我が国において、高気密・高断熱の建築を行なう場合に不可欠なソフトウェアのひとつで、水蒸気拡散や液水輸送など専門分野についての研究ツールであるだけでなく、建材の開発や自社の建材・工法(木造及びコンクリート造)の妥当性についてもシミュレーションすることが出来ます。
また、技術職だけでなく営業職の方々にも熱や湿気の挙動、結露やカビ発生のメカニズムをビジュアルに理解することが出来ます。
弊社は、WUFIが広く日本に普及し、日本の建物がより安全、快適、健康な建物になることを目標としています。