Vol.63 スウェーデンからの手紙 エタノールの製造が松の木材の利用の争いになっている

2007年5月14日  イエテボリスポステン紙

森林の提供する資源からエタノールを製造する人達には一銭もあげるな

スウェーデンの森林業界の大手SCAの社長Bertil Leijding(バッテル レイデイング)がこのように産業大臣のMaud Olofsson(マウド オロフソン)が主張している。従来の、新聞紙、木材のパネル、木材を張り合わせて梁をつくる業界などは、この新しいエタノール製造により苦境にたつことになろうと、Leijdingは主張している。

すべての人達は、エタノールは森林廃棄物(木片、木の頂上の部分、枝など)から製造されることが理想的であると考えている。これらは約20TW/時程度のいままで活用されていなかった資源だ。その発電量は、現在ストックホルムに建設が計画されている発電所の発電量の8倍にも相当するものだ。

しかし、パルプの製造企業は、現在計画中のエタノール製造工場が、バージン木材(松の木材)をその材料として使用するということに不安をもっている。こういった素材は余剰素材ではない。

「まだ現時点では、エタノールを森林廃棄物(木片、木の頂上の部分、枝など)から製造するだけの技術が開発されていません。」と、Bertil Leijding(バッテル レイデイング)は述べている。

“農業部門の専門家達にエタノール開発に従事してもらおう。農作物にはエタノール製造に適したものがあると証明されている。”と、Bertil Leijding(バッテル レイデイング)はBioenergi(バイオエネルギー)誌に書いている。

産業大臣のMaud Olofsson(マウド オロフソン)は農業エタノールを信じているが、スウェーデンがこの分野で世界的なリーダーになるための可能性は森林エタノールが重要であると考えている。産業大臣によると、国から助成金を得られるのは、試験的なエタノール工場のみであるとのことだ。

「こういった助成金は、森林資源が最適の方法で活用される技術開発を促進するのですから、SCAのためになると思います。」と、大臣は語っている。