2006年8月8日 スヴェンスカダーグブラーデット紙
暴力をふるう男性のケア方法が完全ではない
暴力をふるう男性と、こういった暴力行為を目撃する児童への治療は増えてはいる。しかし、どういう方法が最善であるかということに関する知識は十分ではない。従って、異なる治療方法を今後数年以内に調査するべきであると、研究者で社会学者のMaria Erikssonはその報告書で語っている。
Maria Erikssonは、平等大臣からの依頼により、暴力をふるう男性を対象とした、現在存在している50ヶ所の事業体、さらに、主として焦点をあてて問題のある家庭の児童を対象とした87ヶ所の事業体を一覧表にし、Jens Orback平等大臣への報告書に加えた。
「ある意味では現状にはかなり期待できます。これらの問題への関心が非常に高まっているからです。この5-6年の間に、いくつもの新しい事業体が発足しました。しかし、同時に、重大な欠点もあるのです。」と、Maria Erikssonは語っている。
Maria Erikssonによると、これらの男性の治療にかかわる人達の間での安全性への意識が低く、対処事項がきちんと記録されていない、さらにケースの追跡も十分でなく、外部の人間により評価も、ごく限られたケースしか実施されていないとのことだ。
「国際的な研究は、ある特定の非常に構造的な治療プログラムが最も効果的だということを指摘していますし、こういったプログラムを犯罪者ケア部門が導入しようとしているものです。しかし、このプログラム以外の方法でも効果があるという傾向もみられますが、まだ良くわかっていません。」
Orback大臣は、報告書の最終的結論に満足している。
「報告書により、全体が非常によく判りました。どういった治療方法が効果的であるかを見つけ出すことが困難でした。しかし、報告書により、優れた方法をどのように開発したらよいかというアイデアを得たといえます。さらに、現存している事業体のカタログも完成したのです。」
Jens Orback大臣は、コーデイネイターの役目を、現在設立されつつある全国知識センターにまかせようと考えているようだ。また、大臣は、男性の治療に関するイデオロギーの風向きが変ったことにも喜んでいる。
「この分野では、いままであまりにも何もされていなかったことに非常に驚いています。いままで、こういった男性を治療することは、男性を甘やかせることになるといった、なんとも不思議なイデオロギー的な議論がされてきました。それは、とんでもないことで、こういった男性を治療することは、女性の平和と児童の平和のための一つの方法なのです。」と、Jens Orback大臣は語っている。