新年のご挨拶(2006年1月吉日)

天長地久平成十八年 元旦

あけましておめでとうございます。昨年中はたいへんお世話になりました。今年は飛躍の年になるように頑張りたいと思います。本年も変わらぬご指導をお願いいたします。

昨年は、構造計算偽装問題が発生し、これまでの建築のあり方が問題となりました。その根底にあるのは地震国日本において、国民は「安全で耐久性のある」建物を建てたい、しかし、一方では「低廉で、見映えの良い」建物を求めていることにあります。

ホームページに「堀内の主張」として、「最初に良い建物をつくること」~地球環境に貢献する外断熱建築~とのメッセージを書きました。

「最初に良い建物をつくること」の意味は、「消費者が建物に必要な性能を勉強し、材料と工法を吟味し、良い設計者=業者を選択し、必要十分な費用をかけて建築する」ことです。それは、スウェーデンやドイツなどの国々を訪問し、大学や研究機関、実践家、建設関係者との対話を通じてたどり着いた答えなのです。

我が国においても、構造計算偽装事件を受けて建築関係者の間で様々な議論があります。
ひとつは、現在の一級建築士制度をあらため、「意匠」「構造」「設備」の三分野に専門化する主張です。
もうひとつは、建築家(Atchitect)制度による設計事務所の免許化です。前者の問題は、建築に絡む問題を「意匠」「構造」に加え、「設備」の資格を評価することで良い建物が出来るとの考えです。

それぞれが重要なことですが、建物が劣化するのは外的要因(外観、風雨など)もありますが、内的要因(結露、カビ、エネルギーなど)も大きいのです。従って、「意匠」「構造」「設備」に加えて、「建築物理」(騒音・音響、光・照明、熱・エネルギー、室内気候、居住環境汚染(化学物質・微生物) 、建築物劣化・歴史的建築物の保存など)の分野におけるチェックが重要になります。(詳しくは建築物理についてをご覧下さい)

建築物の断熱・気密化がすすむと、建物の温度の低い場所で結露や高湿化が発生します。木造であれば腐り、鉄骨造では錆びが発生します。コンクリートの建物であれば結露やカビの発生が現象します。

本来、この問題を無視して設計や建築を行なってはいけない筈ですが、日本の確認申請制度には熱や騒音、カビや耐久性に関するチェックはありません。最新の超高級マンションにおいても「建築物理チェック」が行なわれてはいない、従って、内断熱で建てられています。どれほど、構造計算をしっかり行ない、地震に耐えることが出来る頑丈な建物でも、設備が完璧であっても、「建築物理チェック」が行なわれていなければ、建築物としては完全ではありません。

また、特定の建築家(Atchitect)による設計監理システムは、建築物に対する法的規制がなければ、建築家の資質によらざるを得ません。日本に現存する建築家の作品には、熱や湿気、音やエネルギーの事を無視して建てられた建物も多く、そのような建築家が免許を楯に従来のような建築を指導することがあれば、第二の耐震偽装問題というべき欠陥建物が建てられる可能性もあります。日本においても、欧米のような建築物理研究を確立し、建築学科で学ぶ学生や建築士の必修科目とすることができれば、構造だけでなく、室内環境の面からも良い建物が出来ることでしょう。

弊社が日本バージョンを開発、販売を行なう非定常熱湿気移動解プログラムWUFI(ヴーフィー)は、誰もが簡単に操作できる、熱と湿気(建築物理)に関するプログラムです。(詳しくはWUFIについてをご覧下さい)

今回の構造計算偽装事件は、消費者が建築について学習し、良い建物を選ぶことの重要性を知らせました。しかし、建築に関する情報が販売する側からの一方的な情報であり、多くの国民には「何が重要であるか」についての発信が行なわなければ、第二、第三の建築にかかわる問題が発生することでしょう。

私たちイーアイは、ホームページやセミナー、講演会を通して環境・外断熱建築に関する情報を発信してまいります。

ホームページにおいては、「スウェーデンからの手紙」として、スウェーデン・イエテボリ市在住の作家・友子ハンソンさんから、最新の福祉や住宅に関する情報を発信しています。

また、「ドイツからの便り Eri通信」として、ドイツ在住でフラウンホーファー建築物理研究所で働く、田中絵梨さんからエネルギー問題や建築物理に関する情報を発信しています。

今後も、世界の建築や環境の第一線で活躍している方々からの情報を提供してまいります。

より専門的な内容については翻訳を含めて有料で提供してまいります。

平成17年の出来事

  • 2月 : ハンス・エーク日本セミナー講演:「地球環境と外断熱」(NPO)
  • 3月 : 有限会社イーアイ 東京事務所開設
         「FhG/IBP(フラウンホーファー建築物理研究所)」との業務提携
         非定常熱湿気移動解プログラムWUFI (ヴーフィー)日本バージョンの開発開始)
  • 4月 : スウェーデン・イエテボリ市訪問 無暖房住宅ディテール打合せ、日本マンション学会神戸大会での問題提起(NPO))
  • 6月 : スウェーデン・イエテボリ市訪問 無暖房施設設計打合せ)
  • 7月 : [「外断熱」からはじまるマンション選び!]上梓(現代書林)書籍コード:ZISBN4-7745-0615-X
  • 8月 : EiPC企画「第6回 スウェーデン・ドイツ外断熱調査」実施)
  • 11月 : ハンス・エーク日本セミナーPart.Ⅱ, 講演:「地球環境と外断熱」(NPO)

平成17年 雑誌・新聞 連載及び執筆

  • 建通新聞 : 2005年1月1日号
  •  
  • 財界 ; 2005年11月15日号
  •  
  • 週刊ザ・リフォーム : 2005年8月30日号より6回連載(連載中)
  •  
  • 月刊リフォーム ; 2005年9月号巻頭
  •  
  • 食と暮らしの安全 : 2005年7月号より4回連載
  •  
  • その他

平成18年の目標と予定

目標

  
  • 正しい理論(建築物理)に基づく外断熱建築の推進とコンサル事業
  • 非定常熱湿気移動解プログラムWUFI(ヴーフィー)の販売と普及
  • WUFI(ヴーフィー)紹介セミナーの開催
  • パッシブハウス(無暖房住宅)の建設コンサル
  • NPO活動への支援と連携の推進
         

予定

 
  • 2月 : 「第一回 米国・カナダ外断熱調査」の実施(NPO)
  • 3月 : 非定常熱湿気移動解プログラムWUFI(ヴーフィー)日本バージョン販売(予定)
  • 5月 : 「WUFIゼミナール in ジャパン」開催(予定)
  • 8月 : EiPC企画 「第7回 スウェーデン・ドイツ外断熱調査」(予定)コーディネート

2006年も何卒よろしくお願い申し上げます。

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