第10回『トルコ・ドイツ ブルーノ・タウトと外断熱の旅』報告

第10回『トルコ・ドイツ ブルーノ・タウトと外断熱の旅』が終了しました

弊社が企画運営した外断熱推進会議主催 第10回『トルコ・ドイツ ブルーノ・タウトと外断熱の旅』が終了しました。

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お茶の水女子大学名誉教授・田中辰明博士の監修・同行により実施した「第10回 トルコ・ドイツ ブルーノ・タウトと外断熱の旅」の一行、18名(現地合流2名)が元気に帰国しました。B班5名は11月16日(日)、A班10名は11月18日(火)、団長の田中辰明博士は11月24日(月)に帰国しました。視察旅行の報告は、当ホームページ及び月刊建築仕上技術12月号にて紹介いたします。


最初に、イスタンブールでブルーノ・タウトのお墓に参るとともに、ブルーノ・タウトが尊敬していた建築家ミマール・シナン設計のモスクを中心に見て回りました。アヤソフィアはビザンチン時代の傑作ですが、キリスト教寺院をシナンが4本のミナール(尖塔)を建てることでイスラム寺院に代えています。また、トルコの外断熱(960万㎡/2009年施工面積)を調査しました。

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雨の中,ブルーノ・タウトの墓に参る一行

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1930年代の同じ墓の前で

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スレイマニエ・モスク (Süleymaniye Camii)外観

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スレイマニエ・モスク (Süleymaniye Camii)内部

スレイマニエ・モスク (Süleymaniye Camii) はオスマン帝国の旧都イスタンブルにあるモスク。1557年完成で、オスマン建築(トルコ建築)の最高傑作のひとつと言われる。イスタンブルの旧市街にある7つの丘のひとつの頂上に位置する。スレイマン・モスクともいう。オスマン帝国の第10代君主スレイマン1世の命により、当時の宮廷建築家頭で、トルコ史上最高の建築家と呼ばれるミマール・シナンが設計、1550年に着工し、7年の歳月をかけて完成した。(ウィキぺディアより転載)


アヤソフィア内部


また、10日にはイスタンブール郊外にあるDOWケミカルのXPS(押出発砲ポリスチレン)の工場、外断熱施工トレーニングセンターを訪問した。トルコでは、2009年の湿式外断熱工法の施工面積が900万㎡あると聞いて驚いていたが、2011年の施工実績見込みは3,500万㎡を超えると聞いて更に驚いた。我が国の湿式外断熱工法の施工面積は年間40万~60万㎡程度であろうか。

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XPS(押出発砲ポリスチレン)の外断熱改修現場(築10年の分譲マンション)

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ミマール・シナン大学にて トルコにおけるブルーノ・タウトの研究家 Ataman DEMIA博士


11日にイスタンブールからドイツ・ミュンヘンに移動した。12日ミュンヘンでは、エコ・トランスファージャパン代表のバウマン氏の案内で、ドイツにおいてで130年の伝統がある無機塗料メーカー KEIM社を訪問した。また、建設中の住宅や総合住宅展示場を回った。


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13日は、2004年に訪問した世界の建築物理研究・実践の総本山、フラウンホーファー建築物理研究所(ホルツキュルヘン)再訪した。。フラウンホーファー建築物理研究所(ホルツキュルヘン)は、材料の屋外暴露試験やシミュレーションを行っている世界的な研究機関です。非定常熱湿気同時移動解析プログラム"WUFI"の開発元です。

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2004年「第4回 ドイツ建築物理と外断熱の旅」フラウンホーファー建築物理研究所(ホルツキュルヘン)にて

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フラウンホーファー建築物理研究所(ホルツキュルヘン)屋外暴露試験~1951年以来、実際の建物を建てて材料の耐久性、腐朽、錆び等について調べ、それを非定常熱湿気同時移動解析プログラム"WUFI"に反映させています。

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新しくなったフラウンホーファー建築物理研究所前での記念撮影


14日の午前中は、Sto社の案内で様々なStoシステムの現場を見た。木造8階建て集合住宅、パッシブハウスの高級住宅、一部タイル張りのビル、通気層のある乾式外断熱工法の学生寮など・・・

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Sto社の一部タイル張りビルの前で

13時過ぎに、翌日帰国するB班(5名)と別れ、A班(11名)はアイゼナッハへの400kmのバス移動を行った。


ミュンヘンからアイゼナッハに向かうアウトバーンから見た夕日

15日は、アイゼナッハで早朝にマルチン・ルターが幽閉(隠くまわれていた)Wartburg城に上った。また、バッハハウス、ルターハウスも訪問した。「今回の旅行では宗教改革を行ったマルチン・ルターの足跡も辿ります。WASPという言葉があります。WASP(ワスプ)は、ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント (White Anglo-Saxon Protestant) の頭文字をとった略語(アクロニム)である。アメリカ合衆国における白人エリート支配層(保守派)を指す造語であり歴代大統領はWASPであったと言われます。現大統領とケネディは例外。プロテスタントを起こしたのがルターです。匿われながらギリシャ語の聖書をドイツ語に訳し聖書を広めたのがWartburg城です。プロテスタントを音楽で広めたのがバッハです。バッハの生家も訪問します。ルターが95ケ条の質問状を叩きつけた教会Schlosskircheも訪問します。」(訪問前・田中辰明先生からの案内)

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朝日に照らされたWartburg城

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バッハハウス

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ルッターハウス

16日ベルリンでは、早朝からベルリンの市街地や昨年回れなかったブルーノ・タウトの住宅群などを公共交通機関を利用して調査しました。電車、バス、地下鉄を乗り継ぎ、それぞれの場所で田中辰明先生から歴史とその背景、思想についてお聞きしました。

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ブルーノ・タウトの石碑の前で


田中辰明先生映像_1


田中辰明先生の映像_2


田中辰明先生の映像_3

建築家ブルーノ・タウト 人とその時代,建築,工芸


田中辰明先生の案内で、イスタンブール、ミュンヘン、アイゼナッハ、ベルリンの都市と文化にふれる旅を体験しました。

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団長 田中辰明 お茶の水女子大学名誉教授


2011年7月15日(金)外断熱推進会議における講演内容の一部

2011.10.08「トルコ・ドイツ ブルーノ・タウトと外断熱の旅」田中辰明講演.pdf