(社)全国建築コンクリートブロック工業会で講演

平成23年5月17日(金)に、(社)全国建築コンクリートブロック工業会の第24回通常総会後に講演会が開かれ、弊社代表堀内正純(外断熱推進会議事務局長)が、「これからのブロック建築 パッシブハウスとは」のテーマで講演をしました。


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「これからのブロック建築 パッシブハウスとは」~東日本大震災と原子力・新しいエネルギーに頼る前に、僅かなエネルギーで快適なくらし~ローテクが日本を救うと題して話しました。


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【講演要旨】
世界で唯一の被爆国として、原子力に不安をもっていた国民は、教育とTVコマーシャルの影響か、CO2を排出しないエネルギーとして原子力発電をいつのまにか受け入れ(享受し)、すでに、日本の電力需要の約30%を供給している。原発事故前に電気事業連合会は、2019年には原子力発電が41%を供給すると予想している。今回の福島原発事故で、事業者及び政府が言ってきた、原子力の安全神話が崩れ、これからの原子力発電所の新設は困難となり、代替エネルギーの創出が喫緊の課題となっている。マスコミや行政、専門家、環境問題を語る人々は自然エネルギーの活用を声高く唱える。太陽光発電・風力発電・地熱エネルギーなどである。しかし、太陽光は、夜間や曇りの日には照らさないし大量に貯めておくことはできない。風力は、風が止まると動かない。また、政府は、暮らしの中の省エネ(節電)を言う。家庭や職場の暖房温度を下げる、冷房温度を上げる。使うエネルギーを最小にして、自然エネルギーを活用する。


大変結構な考え方であるが、穴だらけの容器(断熱性・気密性のない住宅)に水(冷暖房)を入れても水(エネルギー)は漏れるだけである。

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“ムチ、ニンジン、タンバリン” 
EUの行政機関である欧州委員会のエネルギー総局は、今回の改正(「2010年指令」)には、①ムチ②ニンジン③タンバリンという3つのポイントがあるという。
①ムチ:建築物の最低効率要求の設定。各加盟国は、気候条件などを踏まえた最低エネルギー効率要求を設定し、新築建築物についてはこれを満たすようにしなければならないとされている。また、すべての既存建築物についても、大規模な改修を行う際には、同要求を満たすようすることとされた。これらの措置に加え、省エネ化をさらに強化するため、2020年末以降のすべての新築建築物については、エネルギー効率が非常に高い「ほぼゼロエネルギー建築物」とすることが規定された。
②ニンジン:①のような規制を確実に実施していくためには、建築物の所有者などに対し、資金の調達を容易にするなどの「ニンジン」を与え、省エネ化のためのインセンティブ(動機付け)を高めることが重要である。
③タンバリン:エネルギー証明制度の強化。各加盟国は、建築物の売買や賃貸借の際の広告においても、それぞれの建築物のエネルギー効率を記載することとなるよう、措置を講じることとされた。このような証明制度の普及を通じて、省エネ建築物市場の整備や、市民の省エネ意識の向上などを図ることが目指されている。
なお、欧州委員会は、本改正の効果の見込みとして、2020年までのエネルギー消費5~6%削減、CO2排出量の5%削減といった環境面に加え、建設業等の関連分野における28万~45万人の新たな雇用創出などによる景気回復という経済面も強調している。(外務省・欧州連合日本政府代表部一等書記官の菅昌徹治(すがよし てつじ)氏より)


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欧州連合(EU)では、「建物のエネルギー性能に関する2010年5 月19日の欧州議会及び理事会指令2010/31/EU」(「2010年指令」)を決め2020年末以降のすべての新築建築物については、エネルギー効率が非常に高い「ほぼゼロエネルギー建築物」とするとした。


他人ごとではない、日本でも経済産業省、国土交通省及び環境省が連携して、有識者、実務者等から構成する「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」では、2020~2030年に目指すべき住まいの姿として、①2020年には標準的な新築住宅でZEH(ゼロエネルギーハウス)を実現し、2030年には新築住宅の平均でZEH を達成するとともに、LCCM(ライフサイクル カーボン マイナス)住宅の早期実現を目標とする。②2020年には新築公共建築物でZEB(ゼロエネルギービルディング) を実現し、2030年には新築建築物の平均でZEB を達成を目標とする。と提言している。


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原子力発電に頼らず、風まかせ、お天気まかせの自然エネルギーを活用するための最適な方策は、ローテクである「建物を連続して厚い断熱材で覆うこと」である。また、開口部の性能(日射取得・遮蔽)、高性能な熱交換換気の使用も同時に求められる。


東日本大震災と福島原発事故を経験した我々は、「新しいエネルギーに頼る前に、僅かなエネルギーで快適なくらし」を実現する、ローテクである「建物を連続して厚い断熱材で覆うこと」と開口部の性能(日射取得・遮蔽)向上について真剣に取り組む必要がある。残念ながら、多くの建築士や行政もこのことに気がついていない。


世界で最初のパッシブハウスはブロック建築であった。


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(有イーアイ・(株)北海道地域計画建築研究所(藤本哲哉)・(有)大橋建築設計室(大橋周二)の三社は共同で、ブロック建築のパッシブハウスについて企画提案している。


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上記プラン、パースは、(株)北海道地域計画建築研究所・藤本哲哉による


弊社では、外断熱建築及びパッシブハウスに関する企画、コンサル、講演(講師)を行っています。お問い合わせください。

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