横浜パッシブハウス(きらり1号)が完成し11月6日(土)に(株)建築舎よりオー ナーのK氏に引き渡されました。
完成した横浜パッシブハウス外観
2009年の夏にK氏より、私が所属するNPO法人 外断熱推進会議のモデルルー ムとなるエコ住宅を建てたいとの相談がありました。敷地82坪、建坪40坪、2階 建の建物をRC造又は木造で計画したい。また、100年 三世代同居住宅として、 外断熱、太陽光活用、雨水活用、壁面緑化、長期優良住宅などを取り入れる。「親の代から大事に育ててきた梅の木や既存の植栽を生かして欲しい」、奥様から「生活スタイルや使い勝手を重視したプランを作って欲しい」との希望を受けて、ハウスタイルズ(株)の石川雅規氏が基本設計プランを作成しました。
43年の風雪に耐えた住宅
建替えにあたって心配したのは「親の代から大事に育ててきた梅の木や既存の植栽」 を残すことであった。
建替え前~親の代から大事に育ててきた梅の木
建替え後も無事に残った梅の木
松の木も無事に残り、門扉まわりには表札とジャパン パッシヴハウス プロジェク トの表示が掲げられた。
玄関前の松の木
ジャパン パッシヴハウス プロジェクトの表示
門扉から玄関への階段
玄関から室内に入ると真っ白な漆喰の壁に無垢材(栗)のフローリング、アルゴンガ ス入り、W-LowE、トリプルガラス(一階は防犯ガラス)木製ウインドウ、明る い陽射しが飛び込んできます。
玄関ホールから見たリビング
リビングの大きなへーべシーベ(片引き)窓
奥様から希望があった使い勝手を重視したダイニングルームにも明るい陽射しが入り ます。
陽射しがそそぐ明るいダイニングルーム
リビングルームの上は吹き抜けになっていて、真ん中の窓は電動で開き、同じく電動 で開く階段室上部の窓と風が流れる設計になっています。
吹き抜け上部の窓
二階ホールから見たリビングの窓
二階ホール
設計にあたっては、パッシブハウスプランニングの原点をふまえ、①コンパクトな形 状と高断熱住宅、②南向きに建てること、遮光を考えること、③南側の窓は大きく、 北側の窓は小さく、④エネルギー効率の良い窓を考えました。南側の窓は大きく、北 側の窓は小さくすると同時に、南側の庇は長く、バルコニーによる夏の日射遮蔽を考 えている。
二階の寝室とバルコニー
二階の洋室とバルコニー
二階の洋室のバルコニーには奥様の趣味の干し柿が干されている。
バルコニーに吊るされた干し柿用の渋柿
北側の洋室は小さな窓が設置されている。
北側の洋室の小さな二つの窓
横浜パッシブハウスは、オーナーの希望である外張り断熱、太陽光活用、雨水活用、 壁面緑化、長期優良住宅のを取り入れている。玄関側の壁には壁面緑化。屋根には太 陽光パネル(4.2 kW)、雨水タンクが設置されている。
玄関正面の壁面緑化
親の代から大事にしてきた植栽と大きな石
雨どいから流れる雨水は雨水タンクに
雨水タンク
親が大事に使ってきた電力用碍子
北側の窓は小さく、硝子からの熱損失を最小にしている。
横浜パッシブハウスの北側外観
横浜パッシブハウス(きらり1号)は、日本の技術(窓や断熱材)と日本で容易に入 手できる海外の優れた製品(調湿シートや熱交換換気装置)を活用し、イニシャルコ ストを抑えながらメンテナンス面でも負担を少なくすることを目指しています。
オーナーのK氏ご夫婦は11月12日に引っ越しを終え、横浜パッシブハウス(きら り1号)住人として最初の冬を迎えます。横浜パッシブハウス(きらり1号)では、 今後三年間の温湿度データをとり温暖地横浜におけるパッシブハウスの性能測定を行 います。
真冬のパッシブハウス体験を希望される、これからパッシブハウスの建設を考えてい るユーザーの皆様は、(有)イーアイまでメールにてご連絡ください。オーナーのK氏 及びご家族と調整の上、体験日をご案内致します。