8月21日、22日横浜パッシブハウス施工現場見学会が開催されました
8月21日(土)22日(日)の二日間、横浜市金沢区において「日本版パッシブハウス」(K‘s House=きらり1号)施工現場見学会が開催され、延べ110名が参加しました。
横浜パッシブハウス 外観パース
見学会は、鎌倉パッシブハウスの施工を行った八王子市の(株)建築舎とジャパン・パッシブハウス・プロジェクト(*)が主催し、坂本雄三・東京大学大学院工学系研究科教授が応援する形で開催されました。
21日(日)15時から『低炭素社会の実現に向けた「日本版パッシブハウス」への挑戦』と題した記者会見がこのプロジェクトの総合プロデュサー、(有)イーアイ代表堀内正純氏の司会で行われました。
2010 年8 月21 日(土):1日目
12:00~16:00 一般公開
15:00~ プレス発表
①東京大学大学院 坂本雄三教授による趣旨説明②オーナー、スタッフ、関係者ご挨拶 ③気密試験公開 ④質疑応答
最初に主催者を代表して(株)建築舎 齋藤敏晴社長が挨拶を行い、「日本版パッシブハウス」とは、国産材料、日本で入手出来る海外の優れた資材を活用した建物で、従来のパッシブハウスと比較してコストダウンを実現したと話しました。
東京大学大学院工学系研究科 坂本雄三教授が『低炭素社会の実現に向けた「日本版パッシブハウス」への挑戦』と題して講演しました。坂本教授は、省エネは外皮+設備+創エネの総力選となる。本プロジェクト(「日本版パッシブハウス」)の趣旨とエネ性能の予測に関して、日本の目標(低炭素社会)を実現する性能として以下の3点をあげました。 ① 省エネルギー性能はドイツ・パッシブハウス基準を目標 ② 日本に馴染む設計(気候風土、住まい方、建材) ③ 日本の特長を活かす選択(優れた家電・設備、建材)
続いて、総合プロデュサー、(有)イーアイ代表堀内正純氏から、「日本パッシブハウスへの挑戦」と題して今回の建物の紹介が行われました。
「日本版パッシブハウス」(K‘s House)の性能値は
壁:U値 0.15W/㎡K以下(ハイアール16k・140+フェノバボード・50)
屋根:U値 0.1W/㎡K以下(ロックブロー 400)
窓:Uw値 0.834W/㎡K以下、Ug値 0.851W/㎡K以下、熱取得50%(窓メーカー 飯田ウッドワークシステム(株))
熱交換率:90%以上(インヴェンター)
メンブレン:調湿気密シート(インテロ)、透湿防水シート(ソリテックス)
断熱性能:Q値≒0.7W/㎡K
全1次エネルギー消費量=112<120kWh/㎡(パッシブハウス基準値)
オーナーのK氏から住宅に対する想いと今後もモデルハウスとして公開することが話されました。
最後に、鎌倉パッシブハウス住人の蓮見太郎氏より、1年を経過したパッシブハウスでの暮らしについて報告がありました。冬は暖房を殆ど使わないことは勿論、夏もエアコンをあまり使うことなく快適に暮らしている。子供のアレルギーもよくなったなどの報告がありました。
記者会見が始まるころには、60名近い聴衆が室内に入り、人間の発熱で室内はオーバーヒート状態でした。それでも、熱心に坂本教授らの話に耳を傾けていました。
*ジャパン・パッシブハウス・プロジェクト (総合プロデュサー:(有)イーアイ、基本設計:ハウスタイルズ(株)、設計施工:(株)建築舎、コーディネータ:オフィス コンドウ)