2009年11月26日に日本パッシブハウスセンタースタッフで、 パッシブハウスコンサルタントのクーラー・アンドレアさんと 北海道札幌市に建設中の「北海道パッシブハウスPROJECT」を見てきました。
建物外観
「北海道パッシブハウスPROJECT」は、 パッシブハウスコンサルタントの クーラー・アンドレアさんのアドバイスを受けて、 ドイツ・パッシブハウス研究所(PHI)の認定取得を目指しています。
「北海道パッシブハウスPROJECT」の仕様は、 床:0.158 W/m2K (土間下EPS 300 mm、基礎外側EPS 125 mm、 基礎中央部EPS 75 mm、基礎内側EPS 50 mm)、 壁:0.085W/m2K(断熱厚さ465 mm)、 屋根:0.073W/m2K(断熱厚さ536 mm)、 窓:ノルウェーNorDan社製のU値 0.7W/m2K、 ドア:スウェードアを風除室を介した2重としています。
設計に当たっては、スウェーデン イエテボリ市郊外の リンドース地区に建設された、 ハンス・エーク氏のパッシブハウス(無暖房住宅)の 各部熱損失性能と同等又はそれを上回るスペックとしました。
ハンス・エーク(Hans Eek)氏
計算では全体熱損失係数計算値は、 Q値0.47 W/m2Kになっています。
「北海道パッシブハウスPROJECT」は、 断熱工事の真っ最中で、丁度屋根のブローイング施工が 行われていました。
入り口
屋根断熱
建物に入ると、丁度休憩時間で作業が止まっていました。 今川さんの案内で工事中の建物内部を見せていただきました。 在来木造によるパッシブハウス挑戦のため、 2×4工法に比べて気密施工の苦労のあとが見て取れました。
先張りシート(INTELLO)
建物内部をしっかり見た後、 少し暗くなった状態で外部を見てまわりました。 クーラーさんからは、防風防水紙の裏に 空気が侵入すると断熱性能が落ちるとの指摘があり、 今川さん、大工さんを交えて納まりについて議論しました。
今川さんとクーラーさん
夜は、ホテルで今川さん、羽田さんを交えて 「北海道パッシブハウスPROJECT」の成功に 向けて遅くまで議論が続きました。
翌日、10時過ぎから札幌市役所に 上田札幌市長を表敬訪問しました。 最初にクーラーさんから上田市長に、 クーラーさんが翻訳した 「ドイツ省エネ住宅の背景~エネルギーパスとは」 (外断熱推進会議刊)が手渡されました。
上田札幌市長に翻訳したエネルギーパス解説書を手渡すクーラーさん
また、懇談の中で2月に完成する今川さんの 「北海道パッシブハウスPROJECT」を 上田市長が見学に行くと話されました。 北海道において、第二、第三のパッシブハウスPROJECTが 始まることを確信して市長室を後にしました。
札幌市長を囲んでの記念写真