Vol.38 スウェーデンからの手紙 新しいテストにより認知症かどうかが判明する

2006年8月4日 スヴェンスカダーグブラーデット紙
新しいテストにより認知症かどうかが判明する
テストの結果により、医師は誰が認知症を発病する危険区域にあるかどうかを前もって判断できる

これで認知症は発病の20年の前から対応できるようになる。Karolinska Institutetでの新しいテストにより、医師は誰が認知症を発病する危険区域になるかどうかを予測できる。そうすれば、患者は発病する前にライフスタイルを変えることが可能となる。

スウェーデン人の65歳以上の高齢者の約7%が認知症にかかっている。認知症とは、記憶、知的能力と人格を攻撃する病気だ。この病気は患者を襲うだけではなく、患者の人格が変ってしまったと感じることが多い家族へも大きな影響を与える病気だ。

ソルナ市にあるKarolinska Institutetから、医師が、どの人が20年後に認知症を発病する危険区域にいるかを予測する手助けになるような科学的な研究結果が発表された。

研究者達は、認知症を発病する危険性が高いかどうかを計るテストを作りだした:年齢、教育程度、血圧、コレステロール値、BMIと身体的な活動。この調査には、フィンランドで約1409人を対象として20年前に開始されたものだ。

「以前は、医師は、認知症を宿命論的な見解でみていた。認知症は遺伝子だけに関係した病気であると考えていたのだ。私達の調査の結果、コレステロール値が高いと、心臓だけでなく脳にも悪いということが判明しています。」と、この調査に関わってきた研究者の一人のMiia Kivipeltoは語っている。

この調査の結果を科学専門誌のLancet Neurologyに発表したところ、Miia Kivipeltoのもとには世界中のジャーナリストからの電話が殺到したそうだ。また、Miiaや研究者仲間達は、その他の医師達からも研究結果を高く評価されたそうだ。それは、認知症発病の最も一般的な原因であろうと思われている要素に関する総体的概念を研究したからだそうだ。

「これからは、他の人達が研究を続けてくれることを期待しています。私達は、もっと多くの要素を含んでの研究結果が必要だからです。そうすれば、もっと確実に、誰が危険区域にいるかを予測できるからです。」と、Miia Kivipeltoは語っている。

認知症連合のStina-Clara Hjulstromは、この新しいテストに、慎重だがポジテイブに反応している。

「私達を、認知症の予防になるようなライフスタイルを送るようにさせることができたとしたら、それは当然良いことです。」

しかし、Stina-Clara Hjulstromは、このテストが意味のない脅しのプロパガンダととられる危険性があると指摘している。

「一人の医師が20年後に何が起こるかなどということを話し始めると、非常に抽象的な話しになってしまいます。それに、もう今でも私達はアルコールを飲みすぎると、アルコール性の認知症になると知っています。それにもかかわらず、飲みすぎる人たちは大勢いるのです。」

0-15点までの結果を示す

テストでは年齢、学歴、血圧、コレステロール値、BMIと身体的な活動程度を測る。その結果、0-15点の数値が判明する。この数値は以下のように判断される。

  • 0-5点:20年後に認知症を発病する1%の危険性がある。
  • 6-7点:1.9%の危険性。
  • 8-9点:4.2%の危険性。
  • 10-11点:7.4%の危険性。
  • 12-15点:16.4%の危険性。

認知症は脳を冒す

認知症とは、脳を犯す病気で、最も多い症状は、物忘れ、話したり書いたりが出来なくなる。
認知症は、多い病気で、スウェーデンでは65歳以上の高齢者の7%が発病している。80歳以上の高齢者では20%が発病している。
認知症でもっとも多いのはアルツハイマー病だ。

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