Vol.22 スウェーデンからの手紙 エコハウスでの生活は楽しい

エコハウスでの生活は楽しい
2005年2月1日  イエテボリスポステン紙

3年前にヘレーンとピエール ビイフォード夫妻は、娘のアルマを連れて一戸建てのエコハウスに移転した。家族は引越しを非常に楽しみにしていた。
エコハウスに住んでみて、期待どおりでしたか? エコロジカルに生活するのは上手くいっていますか?

サーラが生まれたので家族が増えたが、そのサーラももう2歳小々になり、アルマは5歳になった。そのため、毎日の家事には時間がかかる。しかも、家事の合間に、家の増築をしながら、温室のトマトの世話もしなければならない。また、時々だがモヤシも作っている。子供が大きくなって時間が出来たら、へレーンもピエールも、もっと種や苗を使ってみたいと思っているそうだ。しかし、今でも、簡単に育てられるトマトが温室の中で赤や黄色に輝いている。

今日は、まるで太陽がいつまでも、家の壁を照らしてようだ。大きな、しかも沢山ある窓を通じて太陽光線が家の中に差し込んできた。 家はエネルギーを外に逃さないようになっているので、外の気温はプラス5度程度だが、今日は暖房はまったく必要ない。建物は南に面して開放的に建っており、太陽光線がとどかない北側には窓は一切ない。家の周辺は、今では広々とした芝生が広がっている。ピエールとへレーンが初めて土地を見にきたときは、周囲は木がうっそうと繁っていたそうだ。

“土地の手入れが趣味です。”と、ピエールは語ってくれた。

成長の早い藪が沢山生えている土地は、電気ノコギリだけでは手入れがとても追着けない。エコビレッジ協会では、来年の春と夏は、雑草を効率的になくしてくれる羊を飼う予定でいるそうだ。

へレーンとピエールが初めてこの土地を見にきた、1998年2月のあの日は、霧が一面に立ち込めていたそうだ。

“近くに湖があるって約束しますよ。”と、2人を案内してくれたステファン ヴァルネルさんが話してくれた。視界が悪かったが、へレーンとピエールは、悪いとは思わなかった。二人は、マルクス市のUbbhultの湖の近くの森の斜面に住もうと決めたのだ。

“田舎に引っ越すことは、私達にはごく自然のことでした。私達はずっと環境に興味があったので、出来るだけ環境に優しく生活したいと思っていました。私達は自然に囲まれているのが好きなのです。”と、ピエールは語っている。

しかし、ヘレーンとピエール ビイフォード夫妻は近代的で便利な生活も送りたいと思っている。2人とも80%のパートタイム勤務をしており、職場には公共交通を利用するか、環境に優しいエタノールの自家用車を使って、毎日イエテボリに通っている。2人とも、イエテボリまで通勤したくないと考えてはいるが、他に方法がないそうだ。2人が、自分で生計をたてるようにしなければ、こういった選択できるような生き方はできないのだ。ピエール ビイフォードは、エリクソン社の環境コーデイネーターで、へレーンはデザインの仕事をしている。

数年前に比べると、社会での環境意識は高まったが、廃棄物の分別収集は面倒でエコマークつきのKRAV商品を購入するのは高いと考えている人達が多い。

“廃棄物の分別収集をしない人に出会うと、おかしな人だと思います。”とへレーンは語っている。

“そうするのが私達のライフスタイルです。私達は、おかしいとか大変だとか思いません。質の高い美味しい食事をしたいので、自分でそういう料理を作っているのです。低エネルギー電球を使っているし、”グリーンな電気“を使っています。一人の人間として、私達が行使できる最大の権限は、消費者としてのものです。”とピエールは語っている。

キッチンのテーブルを囲んで座っていると、頭の上を蝶々が飛んでいった。蝶々はもう春になったと思ったのだろうか。遠くて飛行機の爆音がしている。ランドベッテル空港からの爆音はめったに聞こえなくなったそうだ。航空機が、前より早く滑走路に曲がるようになったからですと、へレーンが説明してくれた。

フィンランド製のマース オーブンは今日はお休みの日だ。2台のオーブンがあり、1台はキッチンとリビングルームにあるので、ピザやパンを焼いたり、暖房器具の代わりに効果を発揮している。もう1台は、主要暖房設備なので、大型で地下に設置されている。

へレーンに、何処かこの家で上手くいっていないところがあるかと質問すると、長い間考えたあとで、こう答えてくれた。

“土の温度を利用した低温食品保存戸棚の温度が夏は外気よりも低くなりません。実験的に1メートル下までパイプを堀り下げたのですが、うまくいきません。 土の冷たい温度を戸棚まで持ち上げたいのですが、パイプが短すぎたのです。“

その他には、2人は家が希望どおりになったので、非常に満足している。どういうタイプの住宅にするかについてのアイデアの殆どは2人のものだ。しかし、プロの援助とアーキテクトのステッファン ヴァルネル氏の援助も受けたそうだ。

“こういったプロジェクトをしようと思ったら、本当にいろいろな素材を十分選択しなければならないということを学びました。”と、へレーンは語っている。

ビイフォード家の大人達は、もしまた家を建てるなら、もっと良い家が出きると語っているが、もうこれ以外の家は建てないそうだ。

“ええ、参考にできる、エコロジカルな指針というものがあんまりないので、私達はパイオニアのように感じています。少しでも一般的なスタンダードを外れるとややこしくなるんです。ですから、私達はいろいろ試しながらここまで来ました。かなり勇気があったと思います。”と、へレーンは語っている。

2人の家は、防腐加工した木材は使用していないし、PVC プラスチックも使用していない。2人は思いがけなく驚かされたことも何度かあるそうだ。それは、環境にやさしい下水管をすぐ近くのObs スーパーで見つけたときなどだそうだ。

“私達の家の汚水システムは普通のものではありません。環境局が承認してくれたものですが、独自設計の汚水システムを使っています。”

2人は、何回も長い間、家を建ててくれた大工と議論を交わしたそうだ。

“私達は、常に環境にやさしい素材を選びましたので、価格が高なったのです。
大工さんは、何故そうしなければならないのかの理由を聞きたがりました。大工さんは、私達のことを、やりすぎだと思っていたようです。でも、私達は、この家を建ててくれた大工さんはすごく優秀な人だと思っていますし、彼も内心では、この家はいい家だと思っていると思います。“と、へレーンが語っている。

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各自が自分で自分の家を建てるエコビレッジ

エコビレッジ Rydebacke(リュードバッケ)は、マルクス市のUbbhultにあり、1997年からアーキテクトのステファン ヴァルネルとグニッラ ヴァルネルが主になって建設が始まったものだ。

このエコビレッジ Rydebackeでは、その他のエコビレッジとは違って、それぞれの家族が、土地を購入し、自分の家を計画し建設し、家のオーナーになっている。普通のエコビレッジは、エコビレッジが、一種の居住権つき住宅協会のように、土地や建物を共同で所有しているものだ多い。 このエコビレッジ Rydebacke には、ビレッジの発展プロジェクトをしたり、計画をたてる共同組合形式の組織がある。エコビレッジに住んでいる人達には、ビレッジの道路の手入れなどをする共同の作業日がある。

エコビレッジ Rydebackeには、現在一戸建ての家が4軒と4戸のアパートがある。もうすぐ2軒の一戸建て住宅の建設が始まる予定だ。このエコビレッジの汚水は、各住宅から汚水管により共同タンクに集められるようになっている。

ビレッジには、成人が14人と15人の子供が住んでいる。ビレッジには、まだ家をたてる土地は残っている。

5ページ

天井が高い
家は180から190平方メートルの広さがあるが、天井の高さは4,70メートルもあるので、家のボリュームは大きい。

松葉を集める屋根
屋根には草が植えてあり、松葉が雨樋につまらないように集めている。

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