Vol.7 スウェーデンからの手紙  2005年最後のおたよりです。

2005年も本当に残りすくなくなりましたが、今年最後のおたよりです。

今年のクリスマス ツリーは、今までとは少し感じをかえて、シルバーだけの飾りにしてみました。我が家のツリーの飾りも、30年も昔のものなどいろいろありますが、今年は、流行をおって、モダンなものにしてみました。

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▲クリスマス ツリー

スウェーデンだけでなくヨーロッパ全域が大変な悪天候にみまわれ、昨日からすごい大雪になりました。真夜中になっても真っ白に雪が降っており、それはそれで綺麗ですが、交通事故は多いし、雪のために隔離されてしまった方も多いようです。しかし、全体的にスウェーデンの積雪量は日本の比ではないように思います。

クリスマス前にハンスさんと昼食の予定でしたが、ハンスさんが体調を崩したのでキャンセルになってしまいました。来年は健康に注意してくださいね!とまたまた口を出してしまいましたが、健康だけはかなり自分でコントロールできる部分があるように思います。

今年はハンスさんとご一緒でしたが、2月に雪のなかで、信州の小布施というところの北斎館を訪問しましたが、葛飾北斎という人にいままでとは違った面をみたようで、単なる美人画家とか富嶽百景で有名な版画家だけでない“一人の芸術家”としての生き方にふれたような気がしました。

私は、香港時代に、香港島に住んでおりましたので、毎日“九匹の龍が眠っているという九龍”をみて暮らしていました。そんなこともあり、龍という動物が好きでしたが、北斎の“富士越龍”という絵には非常に感銘を受けました。北斎90歳のときの絵だそうです。
ハンスさんは、この絵がいたく気に入り複製を購入しましたが、秋に日本を訪れたときにも、北斎の絵について“感動”したとお話しでした。

精魂をこめて目をいれてもらった龍が天に昇る絵には、天才と呼ばれる芸術家のすごさと同時に、一人の人間の願望のようなものが思われて、こういうものに感銘を受けるのは日本人もスウェーデン人も同じだと思ったらより不思議でもあり、本物は世界共通なのだなあと、つくづく考えさせられました。

私の好きな中国の龍は5本の爪でしっかり一つの“玉”をつかんでいますが、この玉は徳を象徴していると聞いたような気がします。そこで、中国では、龍というと“徳”を象徴する動物だそうですが、スウェーデン人に“徳”という言葉を説明してもなかなか分かってもらえないのですが、龍には、優しく、哀しいような王者の孤独が漂っているようで、孤高の悲哀が感じられますが、こういう感じはヨーロッパではなかなか、、、、、 

来年は犬年ですが、スウェーデンでは、大いに期待している巨大市場としての“中国”を龍にたとえて、よくもわるくもその一種の未知のものへの得体の知れない恐怖についてばかりが取り上げられています。有望市場であるから絶対に進出しなければならないが、何があるかわからないので怖いということもあるようです。ヨーロッパ風ではビジネスが出来ないという苛立ちもあるのかも知れません。

最近、友達に誘われて俳句をはじめましたが、一向に上達しないのは時間不足であるということにしていますが、結構楽しいものです。そのうちに先生を探さなければと思いながら、なかなか気持ちの上でも余裕がありません。

俳句というと、辰年の辰月、辰日うまれだったという芥川龍之介を思い出します。その龍之介のお正月にちなんだ俳句です。 

元日や手を洗ひをる夕ごころ  

新しい年も平和で充実したものとなりますように。

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▲友子さんとご主人ニルス(Nils Hanson)氏

2005年12月30日  友子 ハンソン

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