無暖房住宅(パッシブハウス)は、断熱材の厚さ(性能)だけでなく、開口部(窓や ドア)や熱交換換気装置の性能と仕組みが重要になります。 イーアイ代表堀内と北海道で無暖房住宅に取り組む設計士や設備関係者4名が、2008年3月 30日から4月4日までスウェーデンの無暖房住宅(パッシブハウス)の視察を行っ てきました。その様子をレポートいたします。
この視察は、 NPO法人 外断熱推進会議主催「第八回 地球環境と無暖房住宅の旅」 (2008年6月)の事前調査・打合せをかねたものです。
2008年3月30日(日)
夕刻、コペンハーゲン経由でスウェーデン南部の都市、マルメ市に着く。 休むまもなく、マルメ市のBo01会場に建設予定の無暖房住宅を見に出かける。昨年建 設予定であったが、パネル工場の火災で着工が延期された建物である。建設予定地を 回るが、まだ着工していなかった。 マルメ市 Bo01会場には建設中の外断熱マンションがたくさんあった。
3月31日(月)
ヘルシングボリにあるオンリーワンの無暖房住宅用熱交換換気装置REC-Temovexの工 場を訪問し、ヨーラン社長、レナード工場長と打合せを行う。 イーアイでは、札幌市において無暖房住宅用熱交換換気装置REC-Temovexのテストを 1年半にわたり重ねてきた。REC-Temovexの特徴
- 熱交換効率が高い(80~95%)
- 空気が混合しない、気密性の高い熱交換素子
- 十分に考えられたバイパス機能
- 多くのパッシブハウスに採用された経験をベースに改良を重ねている
- 外気温度が低くても霜取りが必要ない構造
- メンテナンスが簡単で、室内に置ける外観の良さ
- 故障が少なく、長持ちする構造(27年間経ったいまでも使われている)
- 省電力(27 W)なモーター
- 熱のメンテナンス アフターヒーター
スウェーデンにおける無暖房住宅(pdf: 1,020 kb)資料はこちらでダウンロードできます
4月1日(火)
イエテボリ郊外のアリングソース市(ハンス・エーク氏が住む町)に昨年12月13 日にオープンしたパッシブハウスセンターに行く。 生憎、ハンス・エーク氏はノルウェーのトロンハイムで開催される 北欧パッシブハウス会議2008に参加のため不在であったが、 パッシブハウスセンターのスタッフであるアンディッシュ氏が応対してくれた。
スウェーデンには、1960年代後半から100万戸住宅政策により建設された 羊羹型の市営住宅が40万戸残っており、 これらの建物を無暖房住宅に外断熱改修すると スウェーデン全土の石炭による火力発電所を閉鎖できるという。 アリングソース市ブローゴーデン地区にある 300世帯の市営住宅の無暖房改修が始まった。
外断熱コンサルタントのイーアイ: 2008年04月17日|ページの先頭へ|