リネースターデン区ではホームヘルプサービス部門での時間の枠組みが厳しくなっている。そのため、高齢者は、自分が支払った分だけのヘルパー支援を受けられない危険性がある。
イエテボリ市のリネースターデン区とハーランダ区のホームヘルプサービス部門のヘルパーは、1週間の勤務時間37時間中に32時間を利用者が支払っているケア時間として使用しなければならないが、オリュグリューテ区とエルヴスボリ区では、37時間中の22時間を支払いを受けるケア時間に使用するだけでよい。
「私達は、もっと早く走るようにするか、高齢者から時間を盗まなければなりません。ホームヘルプサービスを提供する条件がどんどん変わっています。要介護者が多くなりすぎ、臨時職員が多くなると問題が発生しています。こういった場合には、高齢者の家でのケアを早めにすませることです。」と、リネースターデン区のKommunal(労働組合)の第27支部の代表Iren Strandbergは語っている。
“ギャップがでてきます”
要介護者へのケアが終わり、少し時間が“余った”分は、ヘルパー用語では周辺時間と呼んでいるが、職員教育、職場での会議、要介護者の家から家への移動の時間、記録や計画作成時間などに使われるものだ。
リネースターデン区の厳しい財政状況がホームヘルプサービス部門に影響を与えている。
「私達の時間の枠は非常にきびしいものです。そのため職員に悪い影響を与えています。職員が実際に行いたいと考えるケアと時間内で出来ることとの間にギャップが出来てしまうのです。高齢者が必要とする支援を全部できない危険性があります。」と、リネースターデン区のCarl Bartler区長は語っている。
ハーランダ区も、高齢者福祉部長のSten-Ake Siewertzによると、10-15%という低いの周辺時間しか予算として計上していないとのことだ。
「周辺時間は、様々の調査によると通常35-45%です。私達の区の予算には、会議と移動時間が少しとってありますが、それだけでは十分ではありません。ヘルパー達は、要介護者のために、要介護者の自宅だけでなく自宅の外でもいろいろな仕事をしているのです。地区診療所に電話をかけたり、親族と話をしたり、支援を記録することなどです。私達が、高齢者から少し時間を盗んでいるとしても、高齢者は受けている支援に結構満足しています。」と、Sten-Ake Siewertzは語っている。
“自分の権利を主張できない”
Marina Johansson(社会民主党)は、イエテボリ市の首脳部の高齢者福祉の責任者だ。
「区による違いは大きいようですが、私には何故こうなっているのかを判断することは難しいことです。この差が、ホームヘルプサービス部門がどう組織化されているかによるものでしたら、各行政区は互いに学びあうべきです。しかし、ホームヘルプサービスは、自分が受ける権利があると認められたもの、さらに利用料金を支払った時間は受ける権利があるのです。」と、Marina Johansson(社会民主党)は語っている。
「要介護者は、ある一定の介護時間の利用料金を支払っていますが、市は、ある一定の作業だけをすると約束しているのです。しかも、これらの作業を“敏速にすることが可能”であれば、高齢者は利用料金を支払って支援を受けていないと主張することは出来ないのです。ということは、現実には、市にたいして自分の権利を主張できないということになります。市は、ヘルパーがどの程度の時間を要介護者の自宅で過ごすかについて、よりはっきりした指示をするべきです。」と、市の助役のJonas Ragnsgard(穏健党)が語っている。
FAKTA: イエテボリ市のホームヘルプサービス部門の周辺時間
ホームヘルパーの総勤務時間中の周辺時間(%)として予算が計上されているもの
地区 | リネースターデン区13% |
---|---|
ハーランダ区 | 10-15% |
チューヴェ ― サーヴェ区 | 17% |
バリシュー区 | 20% |
マイヨナ区 | 20% |
フルールンダ区 | 20% |
コテダーラ区 | 20% |
中央区 | 21% |
ビスコープスゴーデン区 | 22% |
ラルジェダーレン区 | 25%以上 |
アッシム区 | 30% |
ルンドビイ区 | 30% |
グンナレード区 | 30% |
ステ一シュー区 | 34% |
ヒュークスボー区 | 35% |
オルグリューテ区 | 40% |
シェッラ ― ルードボー区 | 30-40% |
チンナレード区 | 35-40% |
バッカ区 | 現状でははっきりしていない |
トシュランダ区 | 改正中 |
周辺時間とは、ホームヘルプサービス部門の職員の労働時間中で、要介護者が利用料金を支払っていないすべての労働時間。