第1回EI技術セミナー「ドイツの省エネ技術と日本への応用」(2008年4月7日)報告

第1回EI技術セミナー「ドイツの省エネ技術と日本への応用」(2008年4月7日)報告

ドイツから二人のゲストを招いて 「第1回 EI 技術セミナー」を開催しました。
午後からはあいにくの雨となり、参加者の出足が危ぶまれましたが、幸にも定員をオーバーするほどの盛況となりました。


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開会のあいさつをする堀内。

最初の講師は、ノルベルト・バウマン:エコトランスファー・ジャパン代表
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通訳抜きで、ドイツ語・英語・日本語を駆使したエネルギッシュな講演となりました。
パート1ではエネルギーパスと、その使い方を解説。今後のエネルギー供給状況と地球温暖化対策上からみて、省エネ性能の高い建物をつくるためには、現段階のさらに上のレベルを採用することが必要であると発言。
早速、「エネルギーパスについてもっと詳しく知りたい」と参加者から反響が寄せられました。

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パート2ではパッシブハウスについてその定義と具体的な特徴などを解説。
パッシブハウスの消費エネルギー量≦15kWh/m2/y
パッシブハウスでは、熱源として太陽熱・生活熱・家電製品の排熱・人の体温も有効に利用すること。消費エネルギー量≦15kWh/m2/yを実現するためのキーポイントとして、まず断熱と気密の重要性を指摘。高効率の熱交換換気装置なしにパッシブハウスはあり得ないことを強調している。

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そして最後に、ヨーロッパにおける最新情報として、EnEV2009(2009/1/1以降)を紹介した。
・現行のEnEV2007は、2009年1月1日をもって改訂
・改訂する省エネ法の主な目的は、2020年までに住宅用のエネルギー供給源を化石燃料から転換
・建物のエネルギー初期消費率を平均30%削減
・電気による暖房システムは2020年までに禁止
・DIN規格を元としている現行EnEVの算定法はENに見直しの予定
・太陽電池や壁・屋根の断熱などのエネルギー関係のリフォームをこれまで以上に推進する予定(詳細は未定)
・2012年には次の削減目標(30%)が計画される予定

さらに2009年7月にはオフィスビルにもエネルギーパスが適用されることを紹介した。


ノルベルト・バウマン氏経歴
ミュンヘン郊外に生まれる。12年にわたりドイツから日本へテクノロジーを伝える業務に従事。
営業担当やテクニカルアドバイザーとして第二東名、アクアライン、埼玉アリーナ、来島大橋など数多くの大規模土木プロジェクトを担当した。2007年エコ・トランスファー・ジャパンを創立し、ドイツのエコロジー製品を日本の住宅マーケットに導入することで日本の住環境の向上に貢献している。

次に、堀内が「非定常熱湿気同時移動解析プログラム WUFIとは」を講演した(講演資料はこちらpdf: 2673 kb)。
最初にWUFIが世界各国で使われている現状を話した後、「史上最大のミステーク」「史上最大の濡れ衣」を例に、定常計算と非定常計算との違いを説明した。ハンス・エーク氏のリンドースの無暖房住宅を北海道に建てた場合のシミュレーションを披露。

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5分の休憩時間の後、ロタール・モルさん:プロ・クリマ(モル建築エコロジー・プロダクツ社)代表取締役が講演した。通訳はドイツドイツ・ケルン在住の建築家、小室大輔氏。

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モル建築エコロジー・プロダクツ社
本社 ドイツ、シュヴェッツィンゲン 設立 1981年。ドイツではインテリジェント調湿シートの開発製造における業界リーダー。世界20カ国以上に「プロ・クリマ」のブランドで断熱構造を保護するトータルな製品ソリューションを提供している。

講演概要:
南北に細長く、異なった気候区をもつ日本では、壁内の湿気調整は重要な課題です。調湿シート(ぺーパーメンブレーン)は、冬の湿気(水蒸気)を透さず、夏は透湿性を発揮するものでなければなりません。冬には防湿シートとして室内からの湿気の侵入による結露発生を防ぎ、夏には透湿性が発揮されることにより、構造材の乾燥が可能となり、構造材内部の結露の発生を予防します。透湿シートと防湿シートの両者の特性を兼ね備えたプロ・クリマ・INTELLO®(インテロ)は、それぞれの環境に応じて分子構造を変え、透湿抵抗性を適合させます。関東以西における高気密・高断熱住宅を実現する上で画期的な商品です。
ドイツのフラウンホーファー建築物理研究所(IBP)が開発した非定常熱湿気同時移動解析プログラムWUFI®(ヴーフィ)は、建材内部の湿気の害を日本各地の気象条件に応じて計算し、その害を予測します。

このセミナーは、プロ・クリマ・INTELLO®(インテロ)の日本代理店・エコトランスファー・ジャパン、ビルダー・サポートシステムのご協力をいただき開催いたしました。


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申込み多数で、補助席を用意するほどの盛況となりました。
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