Vol.27 スウェーデンからの手紙 コレクテイブ住宅 

新しいタイプの住宅が初公開された
マイヨナ区の高齢者むけの賃貸形式の共同住宅
2005年7月11日  イエテボリスポステン紙

イエテボリ: イエテボリ市に、人生の後半にさしかかった人むけの初の賃貸共同住宅が結成された。長い間のあきらめないで続けた交渉の結果、チャップマン広場のファンキス様式の建物内に、居住住宅者協会のMajbacken(マイバッケン)が移転できた。

「今日は、私達の共通スペースで最初の共同での食事をして引越し祝いをします。賃貸契約がやっと署名されたので、そのお祝いです。でも、いろいろお話しする前に、ちょっとお見せしたいところがあるんです。」と、マリー・ルイ-ズ カールバリさんは、チャップマン広場のファンキス様式の黄色の建物の最上階の小さなアパートに私達を招き入れながら話してくれた。

マリー・ルイ-ズさんは、エルブスボリ橋と港への入り口の素晴らしい景色が見える、大きな西向きの窓に案内してくれた。

「お天気の良い日にはヴィンガ灯台も見えます。このアパートから引っ越すつもりは全然ありません。」と、語っているが、マリー・ルイ-ズさんは風景が良いというだけで、もうこれ以上引っ越さないと決めているわけではないそうだ。

年をとり最後を迎えることが出来るような住宅協会を結成しようという考えでマイバッケンは生まれたそうだ。入所者の年齢に大きな巾を持たせることで、若い人達が高齢者の簡単な日常家事の支援をできるようにと考えている。マイバッケンに入所した14名の人達は、数名の40歳代の人達、さらに84歳の人も一名いるが、ほとんどが60歳周辺の人達だ。入所者の年齢制限はないが、もちろん例外はあるが、原則的には同居している子供のいない人を対象にしている。

マリー・ルイ-ズ カールバリさんは63歳で、お隣りさんのエリザベス オルゾンさん(59歳)と、バッテイル ハーグストロムさん(58歳)と同じくまだ仕事をしている。

「私達は、この住宅に移転してきた理由は、楽しい生活を送りたいからです。普通の賃貸住宅に住んでいるとなかなか作れないような社会的ネットワークを作りたかったのです。高齢になると、昔の友達のネットが消滅してしまいがちです。でも、こういう形式の住宅に住んでいると新しい友達のネットワークが年をとってからも出来やすいものです。」と、バッテイル ハーグストロムさんは語っている。

日常生活の共有時間がある

サムボー(同棲者)のエリザベス オルゾンさんは、こういった住居形式により、自分達の意見が反映できることも重要だと考えています。エリザベスさんは、環境とエネルギー問題に関しては、是非自分の考え方を反映させたいと考えています。

「気持ちよく、いつまでも健康でいるためには、私達が皆と一緒に過ごせる楽しい時間を作っていくことが重要だと思います。」と、エリザベス オルゾンさんは語っている。

住宅管理会社のファミリー住宅(Familjebostader)とマイバッケン協会の契約書は、15戸のアパートと共通スペースの2年間の賃貸契約書だ。協会のメンバーは賃貸契約形式の住宅なので入居の際の権利金を支払う必要はなく、家賃も普通の賃貸住宅の家賃と同じ程度だが、共通スペース分として家賃プラス10%を毎月支払うようになっている。

「こういうタイプの住居が、イエテボリ市内のすべての行政区にも一つずつあるべきです。」と、マリー・ルイ-ズ カールバリさんは語っている。

マリー・ルイ-ズさんやその仲間達は、長い間イエテボリ市がこういったタイプの住宅を結成するよう活動してきました。最初の試みは実現せず、二回目も市の反対にあい達成できませんでした。しかし、スウェーデン国内には、こういったタイプの住宅はずっと以前から存在していました。こういった居住形式に関してはデンマークが先進国です。

数年前にMolndalsbostader(ムーンダ-ルボーステーデル)住宅管理会社が、こういった居住形式に関心をしめし、現在ムーンダ-ル市内にこういった住宅が建設されつつあります。建物が完成した時点で、Bo i Gemenskap(ボー イ イメンスカップ)協会が建物全体を借り受けで管理する予定です。建物には44戸のアパートがあり、このアパートすべてをBo i Gemenskap協会がムーンダ-ル市から賃貸形式で借り受け、さらに協会の会員に貸しだす予定です。

「ムーンダール市が私達の考え方に興味をしめしたので、やっとイエテボリ市も関心を持ってくれたのです。ここに住んでいる仲間の何名かは、ムーンダール市の共同住宅に引っ越すつもりでいたのですが、突然イエテボリ市がこの住宅を用意してくれたのです。」と、マリー・ルイーズ カールバリさんは語っている。

階下のベンクト エリクソンさんの部屋をノックしてみた。ベンクトさんは今日の皆で一緒の夕食会のためのトマトスープの料理中だ。皆一緒に、一階にある共通スペースのダイニングルームに、スープのはいった大なべやお皿、フォークやスプーンを運んでいる。

このダイニング ルームの横には、共通スペースもあるので、ここをどう使おうかというアイデアが次々と生まれているそうだ。ダンス、ヨガ、講習会、地域の人達を招待しての夕べ、サウナや裁縫などの集いなどが提案されている。

バッテイル ハーグストロムさんは、両手を大きく広げて、にっこりしながらこう語っている。

「ここには、あらゆる可能性があるのです。」

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