Vol.8 スウェーデンからの手紙  2006年エジプトから新年のご挨拶

2006年1月11日  フルガーダにて

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▲Memnonの巨大な像,ギリシャが作った神殿にあったもの。
地震で神殿はなくなり像だけが残った。

昨晩やっと文明社会に戻ってきたので、TVでCNNのニュースを見ることができました。今日のCNNのニュースはイスラエルのシャロン首相の病状と日本の新潟での大雪の被害の話題で持ちきりです。紅海の海辺のエジプトの観光地にいるとこういった世界情勢がまったくピンときません。新潟の方は、一昨年の地震から今年早々の大雪の被害と何だか災害に集中的に狙い撃ちにされたような感じで、本当にお気の毒です。

私は昔から夢にみたエジプトにやってきました。アガサ クリステイの“ナイルに死す”の影響もあるし、昔から映画の影響などで砂漠の美しさに魅了されてもいました。しかし、エジプトではなんといっても、ナイル川とアスワン ダム、それからアブ シンベル神殿を見物するのが夢でした。

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▲ナイル川でよく見るヨット,Feluccaという。

ナイル川の船旅は本当に楽しく、川辺の緑やヤギ達がゆっくり水を飲んでいる姿などには都会であわただしく暮らす私達の心をなごませてくれます。また、このナイル川の船旅では、時間の流れがとまってしまったように、頭の上に荷物をのせてゆっくり歩く女性達、ロバに揺られて移動する人々などを、船の上からのんびり眺めて過ごすという贅沢な時間を過ごすことが出来て幸せな1週間でした。
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▲Edfu神殿は鷹の顔をした神様,ファラオの守護神のHORUSのための神殿。すごいものです。

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▲Edfu神殿,このおじさんが急にあらわれて一緒に写真をとったら,1エジプト ポンド取られました。
 
有名なカルナーク神殿などのあるルクソールから船でナイル川をゆっくり遡って、アスワンの町にたどりつき、そこからバスで3時間半も砂漠を移動してゆき、やっと到着したアブ シンベル神殿は、今回の旅行で最も期待していたところですが、苦労してやってきたかいがあるという壮大なものでした。夜中の出発には閉口しましたが、太陽が砂漠の岩山の間から顔をだすのを見ながら、まだ本格的に暑くなる前のアブ シンベルに到着できたのはラッキーでした。3000年も昔の建造物がまだ昔のように残っており、神殿内部のレリーフや装飾に使用された色彩がそのまま残っているのにも大変感動を受けました。アブ シンベルはラムセス2世の作った神殿ですが、こういう神殿を作った権力者達は何を思っていたのでしょうか?永遠の命と権力を望んでいたのでしょうか?

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▲Edfu神殿で,もう一度。

ピラミッドをはじめとして、これらの偉大な建造物を作った古代エジプト文明と、現代のエジプト市民の住む家々を比較すると、そのコントラストの大きさには感無量という以外には言葉がありません。偉大な文化を継承することが出来なかった理由は何んだったのかということについても考えさせられます。

また、いたるところで、これらの神殿に描かれたエジプト神話の神々の顔はキリスト教徒(イエス キリスト誕生以前からいたキリスト教徒達)により破壊されたという話がでてきます。ギリシャ、ローマ人達はエジプトを占領した際に、ギリシャ風だがエジプトの神々のための神殿を作ったのに、キリスト教徒は、、、   こういう“教育的な発言”はどこかで聞いたことがありませんか? これでは、永遠にキリスト教徒とイスラム教徒の共存は有り得ないような気がしました。エジプトのイスラム教徒はそれほど過激ではないそうですが、それでも毎日キリスト教徒の“傍若無人な行動”の話を聞かされると不思議な気持になります。その上、真実とはいえ、エジプトにあった最も高いオベリスクはナポレオンがフランスに持っていってしまったので、パリのコンコルド広場にあり、貴重なロゼッタ ストーンはイギリス人が略奪していって、大英博物館にあるという話を聞いて育った世代の人達がヨーロッパ社会をよく思うほうがおかしいような気がします。

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▲これが有名なABU SIMBEL神殿です。

ルクソールの王家の墓で発見された財宝などはカイロの博物館に行かないと見られません。
これから、カイロまで足を伸ばして、博物館を見物しギザのピラミットやスフインクスを現物し、私のエジプト旅行も終わりの予定です。

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▲ナイル川の夕暮れ

エジプトは、スエズ運河の通行料金が最大の国家収入、次が観光による収入だそうです。そんな意味でも、泊まっているホテルの玄関前に入ってくる車はすべて車止めでチェックされ、しかも、車の下を映し出す鏡のついている場所を通過しなければなりません。町中いたるところに警官や軍隊が“たむろ”しており車やバスを検査しています。ルクソールへの旅、アスワンからアブ シンベル神殿までの砂漠を横断しての旅は、すべて警察の車を先頭にしてのキャラバン形式をとっての移動です。決められた時間に決められた場所に集合し、警官と軍隊の指導下で隊列を作っての移動にはすこし胸がドキドキしましたが、テロ対策を厳しくしているということをデモンストレーションしているということでしょう。ナイル川のクルージング中にも、船の中に、私服で拳銃をもった軍人が数名同船していました。

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▲LIXOR神殿

日本でもスウェーデンでも目にしたことのない光景でしたが、私達はあたりまえと感じている平和と安全性の保持は非常に高価なものであるということを痛感させられてもいます。

次回は、エジプトで目にした建築についてすこしお知らせします。

2006年1月12日  紅海沿岸のフルガーダにて 友子 ハンソン

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