Vol.3 スウェーデンからの手紙  再生可能なエネルギー

2005年は・・・

2005年もそろそろ終わりを迎えようとしていますが、今年もいろいろなことがありましたね。今年ほど“異常気象”という言葉が身近なものになった年はないような気がします。世界的にどこもかしこも、台風に、ハリケーンに大雪と、まれで恐竜が闊歩していた時代にでも逆戻りしたような感じです。

私達現代人が、快適な生活を追及しすぎたおかげで?地球を痛めつけすぎたせいかもしれませんが、今後この地球と地球をとりまく環境がどうなるのか、非常に不安です。

再生可能なエネルギー

丁度25年ほど前に、香港に住んでいた頃ですが、縁あって香港財界の非常に有名な方にインタビューする機会がありました。その方が、“5年以内には原油がバレル25ドルになるでしょう。お金をもうけようと思ったら、石油会社の株を買いなさい。”と、オフレコードでアドバイスしてくださいました。その話を信じていて、どっと石油会社の株を買っていたら、今頃私は、宇宙旅行にでも出かけていたでしょうに、、、

当時の原油はバレル 15ドル程度の時代でしたから、皆でうそみたい!と笑っていたのです。最後に笑うものは誰だったかというと、私は馬鹿の見本みたいなものですが、結局凡人のつらさで、オフレコードのとっておきのアドバイスも何の役にも立ちませんでした。現在の原油の価格を考えるとかえすがえすも残念でならないことですが、最近はすこし利口になり、“石油は無限である”などということは信じなくなりました。

こういう考え方は、スウェーデンに住んでいるとあたりまえ。もうごく普通に再生できるエネルギーについて、誰もが語っています。再生できるエネルギーがバイオになるのか、太陽になるのか、それとも風力かは神のみぞしるでしょうが、きっと、カクテルになるであろうといわれています。

私は、個人的には“太陽”派です。それは、ヨーロッパに住んでいると、“北風と太陽”という童話がわけもなく信じられるからです。ですから、風力より太陽!という簡単なものですが、よくいいますでしょう、結局最終的にはシンプル イズ ベストと!

12月17日ですから、一昨日の当地のイエテボリ ポステン紙(発行部数約22-23部という当地では非常にパワーのある地方紙です。)に以下の記事が掲載されていました。

「スウェーデン国会は、昨日(12月16日)、再生可能なエネルギーに切り替える住宅の持ち主には、特別助成金を支給することを承認した。来年(2006年)の1月1日から2010年12月31日までに、石油のボイラーや電気による直接暖房などから、再生可能なエネルギーに変更する住居の持ち主に、いわゆるコンバーテーリング支援が2010年12月31日まで与えられる。支援を受けられるエネルギー源は、地域暖房または、バイオ燃料、地熱や太陽熱による個別の暖房だ。普通の個人住宅への支援以外にも、集合住宅や住宅に接続している場所などにも支給される。支援は、税金の払い戻しという形式が取られる予定だが、切り替えにかかった経費にはある一定の最高金額があるが、経費の最高30%までと定められている。」

スウェーデン人は、2人以上集まると税金の話しで盛り上がるという国民ですから、ごほうびとして一番喜ばれるのは“税金が安くなるか、払い戻し”ということで、国がいよいよ本腰をいれて“再生可能なエネルギー”に取り組もうとしているようです。

そんな意味では、少し安心して2006年が迎えられそうです。これでますます、ハンスの“無暖房住宅”やパッシブ ハウスも普及するのではないかと、思っています。

そうそう、今後5-10年以内には、1970年代にスウェーデン国内に多量に建造された100万戸住宅時代の集合団地のリフォームで、建築関係にかかわる人達の人材不足は深刻になるであろうと予想されています。

では、日本にもこういった建築ブームが訪れることを祈って、来年こそよい一年になりますように。

2005年12月19日  イエテボリにて  友子 ハンソン

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