平成15年の秋、NPO外断熱推進会議が任意団体であったとき、現代書林のM氏から１本の電話があり、西荻窪駅前の喫茶店で会いました。「外断熱の本を書きませんか」との依頼に、「わかりました」と即決しました。
それから、1年半かかって「外断熱」からはじまるマンション選び！ が上梓しました。
「外断熱」から始まるマンション選び！１年半の間には、フラウンホーファー建築物理研究所の所長を招いた『日独外断熱セミナー』の開催。外断熱推進企業や国会議員とのドイツ『建築物理と外断熱の旅』、山岡淳一郎さんとマンション管理関係者等とのスウェーデン・ドイツ『団地再生と外断熱の旅』の実施、そしてスウェーデンから環境建築家ハンス・エークを招いた『無暖房住宅と外断熱』セミナーの開催がありました。それぞれが、様々な階層・団体・消費者に勇気と外断熱の必要性を伝える結果となりました。
また、その間に、首都圏の外断熱分譲マンションは建設中も含めて十数棟となり、関西でも外断熱分譲マンションが完成し、人々が暮らし始めました。賃貸マンションでの外断熱の採用が増え、公営住宅の外断熱改修も全国で活発に工事が行なわれています。
あまりにもの速さに、当初書いた原稿は書き直す箇所が続出しました。
しかし、一方では内断熱のマンションも続々と建設されています。
執筆中に故人となった江本央氏が、「内断熱は欠陥建築だ、お前はそれを許すのか！」と言う声が聞こえてきます。
多くの国民が外断熱の価値（または内断熱の問題点）を知らずに、 内断熱の建物を購入、建設していますが、あとで「外断熱がそんなに良いなんて知らなかった。損をした」と考えたとき、誰がその責任を取るのでしょうか。この本は、そんな思いで書きました。
外断熱全般について書いていますが、本のタイトルを「外断熱」から はじまるマンション選び！としたのは、これからマンションを購入しようと考えているユ―ザーに知らせたかったからです。
マンション購入者だけでなく、これから賃貸マンションやビル、病院や老健施設の建設を考えているオーナー、マンションの建替え改修を計画しているマンション管理組合、行政の方々にも読んでいただきたい本です。
書店でご購読いただき、よろしければ周りの人々にご紹介いただければ幸甚です。
平成17年7月3日 堀内 正純
