IBP-WUFI Seminar2011 (その5)

(その5)
WUFI Seminarの最後に、イーアイ代表の堀内正純が日本での計算事例とWUFIの使いやすさについて解説しました。
WUFI Pro日本版は、開発・発売元=ドイツ・フラウンホーファー建築物理研究所。建材データベース(物性値)=財団法人 建材試験センター、技術指導=お茶の水女子大学 田中辰明名誉教授、販売=有限会社イーアイ(EI,Ltd.)の4者が共同で開発した非定常熱湿気同時移動解析プログラムです。



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講演5.日本の計算事例 有限会社イーアイ 代表取締役 堀内正純

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講演するイーアイ代表 堀内正純

最初に、寒冷地で防湿シートを施工しない場合の壁内(GW及び合板)への水分の蓄積について、WUFIの計算を動画(フィルム)で紹介しました。WUFIでは、壁内における熱と湿気の挙動を動画で見せることができるため、熱や湿気に対する専門的な知識を持たないユーザーや建築関係者にも理解がしやすくなっています。


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WUFIの計算を動画(フィルム)で紹介

WUFIにより、全国各地(842地点)に建てられる建物(木造やRC造)の耐久性や結露・カビ・錆び・凍害・腐朽などの発生を事前に予知できます。計算(シミュレーション)にあたっては、建物の構造(断面)、方位や勾配、仕上げ材料、建設地、室内条件を事前に登録する必要があります。



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壁の構造を決めます(左<外部>から、外装材・通気層・防水シート・フェノールフォーム・合板・グラスウール・防湿シート・石膏ボード)


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計算する建物の方位と高さ、屋根の場合は勾配を決めます(日本語のヘルプで解説)


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建設地を納沙布岬から沖永良部島まで842地点の気象データから選択できます

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室内条件は、任意の設定のサインカーブ、欧州規格、米国のASHRAE160P規格から選択できます。計算時に、財団法人 建築環境・省エネルギー機構の「住宅の省エネルギー基準の解説の非定常計算による防露措置の判断方法により解析」することもできます。


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財団法人 建築環境・省エネルギー機構の「住宅の省エネルギー基準の解説の非定常計算による防露措置の判断方法」

WUFIでは、木造だけでなくコンクリート造の断熱についても非定常計算ができます。ドイツでは、以前は湿気の害は冬型結露が重視され定常計算(Glaser 計算法)で判断されてきました。しかし、定常計算では雨水、夏型結露、日射、建材内の毛細管輸送(液水の移動)が考慮されません。現在では、ドイツ工業規格に定常計算(Glaser 計算法)の限界が記され、実際の気象条件のもとでの建物部位の非定常の熱湿気性状を評価するためにWUFIのような近代的な計算を行う必要があることが明確に示されました。


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RC造の内断熱と外断熱の壁構造

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RC造 内断熱の非定常熱湿気同時移動解析

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コンクリートに水分が蓄積されています 不可!

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RC造 外断熱の非定常熱湿気同時移動解析 


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コンクリートから水分が減っています 可!



これまで、RC造の外断熱の場合、グラスウールやロックウールを使用した繊維系通気層工法か、透湿抵抗の小さなEPS(ビーズ法発泡ポリスチレン)を使用した透湿外断熱工法が紹介されてきました。その際、EPSと比較して透湿抵抗が大きなXPSは外断熱には適さないとの意見もありました。しかし、非定常熱湿気同時移動解析プログラム”WUFI”でシミュレーションしてみるとXPSは湿式外断熱の材料に適していることが判明します。XPSには皮付き(surface skin)と皮なしがあります。


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XPS皮付き(surface skin)と皮なしの物性値

つづく

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