アッシム区の高齢者は自分で選べるなら、掃除の回数を増やして欲しいと希望している。こういった希望事項は、ホームヘルパ部門でのアッシムモデルの評価で判明したことだ。
レーナ シュークビストの車のトランクは買い物袋で一杯だ。
「そのままにしておいてください。運びこむ時にはインガリも立ち会いたがっているからです。」と、私達が、買い物袋を運ぶ手伝いを申し出た際に、レーナがこう返事をした。
インガリルとベンクト ヨーナソンはホームヘルプサービス部門から買い物の手伝いを週に一度受けている。
「私達は安心電話アラームも使っています。それからお掃除の支援も受けています。でも、自分で出来ることは全部自分でしたいので、お料理は自分でしていますし、シャワーも自分で使っていますし、髪も自分で洗っています。」と、インガリルは語っている。
自分に出来る範囲内でできるだけ夫の世話もしている
インガリルは夫のベンクトの日常介助は可能なかぎり自分でしている。夫は週に3回デイサービスを利用している。
「私は少し休を休めたいと思いますし、クストゴーデンほど夫を楽しませることが上手ではないからです。私が新聞などを読んであげるとベンクトは寝てしまいます。」と、インガリルは語っている。
家の掃除は隔週ごとにしてもらっている。インガリルは、3週間に1度よりは、隔週の方がよいと思っている。
「私が床に小麦粉をこぼすと、ヘルパーさんは私の車椅子の車輪のあとから私がどこに移動したかをすぐ解ってしまうのです。」
アッシムでは、ホームヘルプサービス部門は、2005年春から新しい方法で支援をしている。在宅支援を許可された人達は、何時間というふうに時間だけを許可されており、時間をどう使うかの内容までは指定されていない。そこで、支援メニューに基づき、自分に許可された時間をどう使うかは自分で決めることが出来、しかも、受けたい支援の内容変更も容易だ。
選択できるのは素晴らしいことです
「私達は、あまり多くの時間をもらっていないので、取捨選択が難しいのですが、でも、自分で好きなことを選べるのは素晴らしいことです。私は、支援の内容を少し変更して、調理器具とオーブンを綺麗にしてもらって、冷凍庫の解凍もすませてもらいましたが、何にもかえがたいほど価値がある支援です。」と、インガリル ヨーナソンは語っている。
掃除を頻繁にしてもらうことが高齢者が選択することとしては一番多い。
「3週間に一度よりも、もっと頻繁に掃除が出来るのでこういう方法にしたほうが良いでしょう。アッシム区の要介護者は時間を計算されているので許可された支援は十分受けています。」と、アッシムモデルの実施状況の最初の2年間の評価にあたったFoU ヴェスト/GRのカリーナ ルーフグレンは語っている。
アッシム区の住民は特別異なった事柄を選択してはいない。しかし、それでも多くの人達は自分達が意見をより反映できるようになったと思っている。
「受けている支援に安心しているので、自分達は意見を反映していると感じることが出来るのです。」と、カリーナ ルーフグレンは語っている。
アッシム区ではホームヘルプサービス部門の職員を、ケアチームとサービスチームの2つに分けている。そのおかげで、チームの職員は自分の職務のプロになることが出来るのだ。評価によると、ケアチームの職員がもっとも自分の仕事に満足しているとのことだ。
ケア作業は精神的に疲れる
「ケア作業は精神的にずっと疲れてしまいますが、こちらは身体的に疲れます。しかし、私はホームヘルプサービス部門に長い間勤務してきたので、ケアのプロだと思いますから、誰かが精神的に不安であったりするとすぐ気づきます。」と、自分はサービスチームを選択し、インガリル ヨーナソンのコンタクト パーソン(担当者)となっているカリーナ ルーフストロムは語っている。
高齢者福祉部長のグニッラ ルンドグレンは、高齢者が掃除を選択することには驚いてはいないそうだ。
「多くの人達は、昔のような生活を送りたいと思っているのだと思います。私達がどれだけ掃除をするかは様々ですが、3週間に一度などという人は少ないと思います。このように時間を与えられるようになってから、掃除を選ぶ人達が多くなったことに気づきました。」
話し相手になることは、掃除の次に人気のサービスだ。除雪はたった5回しか選択されなかった。
「しかし、除雪してもらえるという可能性があるということは、安心できるという視点からみて重要なことです。」と、プロジェクト リーダーのインゲル ニルソンが語っている。
すべての行政区が採用したサービスは、フィクサルサービスだ。67歳以上の人は、無料で簡単な修理などをしてもらうことが出来る。
「私は、フィクサーのオーマンさんに、換気扇のフィルターを交換してもらいました。その仕事が終わってから、一緒にコーヒーを飲んで、歌を歌いました。」と、インガリル ヨーナソンは語っている。
FAKTA:アッシム区のサービス メニュー
- 散歩
- 話し相手
- その他雑用
- ボタンつけ、植木に水をやるなど
- 銀行や郵便局に行く用事
- 薬局に行く用事
- 犬の散歩や猫のトイレの掃除
- 日用品の買い物
- 食事を温める
- 冷蔵庫や冷凍庫の解凍
- 掃除
- 窓みがき
- 洗濯
- アイロンかけ
- 洗濯時のあとの電気アイロンかけ
ホームヘルプサービス部門で選択が出来るその他の例
- オリュグリューテ区では、区内の一部で試験的に週に1時間余分な時間をニーズ査定員が許可し、その時間は自由に選択した支援を受けられるようにしている。この余分な時間は利用料金を支払わなければならない。この試験的なこころみは2008年度から永久的なものとなる。
- ラリエダーレン区では、ホームヘルパーから支援を受けている人達に、無料で毎月2時間の余分な支援時間を提供している。この時間は、アクテイビテイや、料理の手伝い、外出、レストランに出かけること、買い物、簡単な足のケアなどに使うことが出来る。