Vol.32 スウェーデンからの手紙 風力発電


スヴェンスカダーグブラーデット紙      2006年5月9日

スウェーデンの人々は風力発電を希望している
原子力発電所を増大することを支持する人達も増加している

太陽熱、風力と水力。スウェーデンの人達は、これらのエネルギー源にもっと力を入れるべきだと考えている。同時に、バイオ燃料と原子力の増大を支持する人達も増加している。

スウェーデン人は、この5―10年以内に、風力発電と太陽熱利用を拡大することを希望している。

スウェーデン人の78%に相当する人々は、太陽熱にもっと力をいれるべきだと考えており、72%の人達は風力発電を拡大するべきだと考えている。これらは、イエテボリ大学のSOM(社会、意識、マスメデイアの頭文字)機関がつい最近実施した意識調査から判明し5月に発表されたことだ。

1999年以後毎年、エネルギー問題に関する意識調査が実施されてきたが、太陽熱と風力が常にもっとも人気のエネルギー源だった。

「これらは再生可能なエネルギー源ですので、これらのエネルギーが国民に大変人気がある理由かもしれません。しかし、これらのエネルギーはまだあまり開発されていない分野でもあります。」と、SOM機関の研究者のPer Hedberg(パール ヘードバリ)は語っている。

スウェーデンは、将来的には風力発電所を建設していく予定だ。しかし、どこの風力発電用の風車を設置するかについての意見は一致していない。

10人中7人のスウェーデン人は、自分の居住コミューン(市自治体)が風力発電所を建設することに賛成している。しかし、たった10人中4人のみが自宅の近くに風車が建設されることを受け入れているにすぎない。

今回の意識調査での最大の変化は、バイオ燃料に関する意識だった。昨年の調査と比較すると、バイオ燃料、たとえば泥炭やペレットへの支持が大きく増加している。質問を受けた人々中の半分以上の54%に相当する人々が、今後はバイオ燃料を使用したいと語っている。 この数字は、昨年と比較すると9%もの増加に相当する。1999年当時から比較するとバイオ燃料への支持率はもっと増加している。

「電気や石油の価格が上がれば上がるほど、代替燃料の製造や使用が魅力的になるのです。バイオ燃料増加の理由はこういったことかも知れません。」と、Per Hedbergは語っている。

水力発電に力を入れるという支持者も増加している。スウェーデンには、現状では水力発電をまったく実施していない4つの大きな河川があるが、約半分程度の47%近いスウェーデン人が水力発電をもっと増設することを希望している。

近年、原子力発電への支持率も大幅に上昇した。SOMの調査によると、今年の4月にスヴェンスカ ダーグブラーデット紙が報告したように、多くのスウェーデン人が原子力というエネルギーを今後も継続して利用することを希望しており、原子力を廃止することを希望している人達はごく少数にすぎないとのことだ。

最も不人気のエネルギー源は石油と石炭だ。しかし、スウェーデンでは石炭を利用している火力発電所から電気を輸入しており、同時に国営のVattenfall社がドイツで石炭を採掘しているにもかかわらず、4人中3人までのスウェーデン人は石炭の使用を減少させることを希望している。

国民党(F)は、原子力発電所の増設を要望しており、副党首のJan Bjorklund(ヤーン ビョルクルンド)は、再生可能なエネルギーへの国民の大きな支持には驚いていない。

「危険性が最も低いと判断したエネルギー源を選択しています。しかし、そのエネルギーに、どの程度の効果があるかについての理解力が不十分なのです。太陽熱は、原子力と同じ料金での電気の供給は出来ませんし、同じだけの効果も出せません。」と、Jan Bjorklundは語っている。

Jan Bjorklundによると、原子力にかわる代替エネルギーは非常に高いものになるとのことだ。

「再生可能なエネルギー源が、妥当な価格で必要なだけの十分のエネルギーを供給できるなら、それがベストです。それはあたりまえのことです。しかし、問題は、これらの再生可能なエネルギーはそうではないからです。」

さらに、環境党のスポークスマンのPeter Eriksson(ペーテル エリクソン)は満足している。

「大変満足できる数字です。私達は再生可能なエネルギー源の使用に移行しなければならないという考え方がスウェーデン人の中に大きく浸透してきており、再生可能なエネルギーの弱さに気付いているということです。」と、Peter Erikssonは語っている。










FAKTA3000人が質問を受けた

SOM意識調査は、2005年―2006年の秋から冬にかけて実施された。エネルギーと原子力に関する部分では、スウェーデン全国から随時選択された3000人の人々が質問を受けた。

この記事のベースとなった主となる質問は、このような形式のものだった:
“この5-10年以内に、スウェーデンは以下のエネルギー源にどの程度力をいれるべきだと思いますか?” 選択できるエネルギーは、水力発電、風力発電、太陽熱、原子力発電、バイオ燃料、天然ガス、石炭、石油だった。

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