Vol.29 スウェーデンからの手紙 ADHD

スヴェンスカダーグブラーデット紙  2006年04月23日

ADHDの診断には長い間またなければならない

成人のADHDの検査には2年も待たなければならないこともあることが調査の結果判明した。ADHDの診断待ち期間が延びている。この神経精神病的な問題を抱えている成人は、その病名診断を受けるまでに2年も待たなければならないことがある。患者の会のAttentionが実施したアンケートにより判明したことだ。

国内各地の78の精神病クリニック中の60数箇所がアンケートに回答を寄せている。

「昨年度も同様の調査をしましたが、待ち時間が長いと思いました。しかし、現在では国内各地での待ち時間がより長くなっています。こういった現状を認めるわけにはいきません。」と、患者の会の会長アン クリスチン サンドバリは語っている。

そこで患者の会は、医療大臣のYlva Johanssonに書状でADHDも治療の保証対象とされるべきであり、待ち時間を短くするために予算が計上されるべきであると訴えたそうだ。

スヴェンスカダーグブラーデット紙は、Ylva Johansson大臣に回答を求めたが、大臣はアンケートを自分の目で確認するまではコメントを控えたいと述べた。

アンケートの回答の解析によると、ADHDの診断への待ち時間には患者の居住地域により大きな差があることが判明した。待ち時間のまったくない場所から2年も待たなければならないところもある。同じ都市に住んでいながら、クリニックにより大きな差があることもある。特に大都市ではこの差が顕著だ。

最長の待ち時間はウッデヴァッラ市、リンデスバリ市とクングエルブ市だ。これらの都市では1年から2年間も治療を待たなければならない。最短期間の待ち時間は、ヴァードステーナ市、カトリーネホルム市、ファルシューピング市、エンシューピング市、ファールン市、さらにマルメ市の一部などで、最高6週間までだ。ストックホルムは場所により、7ヶ月から1年半までと待ち時間に差がある。

今回の調査のポジテイブな結果は、いくつものクリニックがADHDやその他の神経精神病系統の機能障害を診断できると答えていることだ。昨年の調査では3つに1つのクリニックが、こういった障害の診断は出来ないと回答していたが、今回の調査では10箇所中の1箇所のクリニックでの診断が不可能なだけに減少している。

ADHD障害は児童と結び付けられるが、こういった障害は一生を通じて残っており、衝動的行動のコントロールや、学習、記憶、注意や他人との交流などが非常に困難だ。

「これらの障害をもつ成人がうつ病にかかり、早期年金生活者になったり、依存症問題を抱えるようになったり、犯罪を犯したりすることは、それほど珍しいことではないのです。」と、アン クリスチン サンドバリは語っている。

ADHD障害を持つ成人の多くは、きちんと病名診断を受けていない。これらの障害を抱えた人達に関する情報が広まってきたのは最近のことだ。

ADHD障害のある成人中、就労している人達はたった30%程度だ。10人中4人までがお金の管理が困難であると答えている。

Attentionによると、スウェーデンでは約75000人の成人がADHD障害者とのことだ。しかし、その多くがきちんと病名を診断されたり、治療を受けていないとのことだ。

2-5%の人々が悩んでいる

ADHDは、Attention Deficit Hyperactivity Disorderの国際的な短略語だ。

診断によると、注意力散漫と衝動のコントロールが困難であるという症状を含む、ハイパーアクテイブ(多動)症候群だ。

国民の2-5%がADHDに悩んでいる。

同種類の病状を示すグループには、Tourettes syndrome, Asbergers syndrome, dyslexiや強迫神経症候群などがある。

Attention 連合は上記の障害を持つ児童や成人のための意思的な活動団体だ。

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